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ことでん60年ぶり新造車両、デザインはファン投票で決定へ

読売新聞 / 2024年12月18日 17時7分

新造車両の外観デザイン3案

 高松琴平電気鉄道(高松市)は、六十数年ぶりに導入する新造車両について、外観デザインを乗客や住民、鉄道ファンらの投票で決める。今月27日から来年2月15日に候補3案から選んでもらう。植田俊也社長は「地域に長く愛される車両を目指す。ぜひ皆様の意見を寄せてほしい」としている。(黒川絵理)

 ことでんが所有している80両は、全て他の民鉄の中古車両で、製造から45~66年が経過。老朽化によるトラブルが相次いでいるほか、他社民鉄が車両の使用期間を延ばす傾向で中古車両が不足し、制御機器などの置き換え費用も高騰しており、1960年以来の車両の新造に踏み切った。

 ことでんは、80両のうち、製造から54年以上が経過している22両は少なくとも新車両に置き換えたいとしている。今年度中に設計を終え、来年度に製造を始め、運行開始は26年度後半以降を見込んでいる。

 新車両の外観は海や空を表し、ことでんのコーポレートカラーでもある青を基調にする。現在、琴平線は黄、長尾線は緑、志度線は赤を施した車両を原則走らせているが、「保守や運用の面では、1種類のカラーリングの方がいいと考えた」(植田社長)という。

 三つの案は、〈1〉動きのある白線を側面に施した「ダイナミック」デザイン〈2〉ステンレス車体の素地を生かし、青と白に黄色も加えた「フレッシュ」デザイン〈3〉空と海が混じる様子を青のグラデーションなどで表現した「スタイリッシュ」デザイン――を挙げている。

 投票は専用フォームからオンラインで受け付けるほか、有人14駅、瓦町駅ビル「瓦町FLAG」に投票箱や投票用紙を設置する。集計後、来年3月に結果を発表する予定という。

 内装は快適性を重視し、シートはマツやオリーブなど香川の豊かな自然を象徴する緑色に。座席幅は広めにし、1人分ごとにくぼみをつけて定員通り座れるよう促す。多言語に対応した表示を扉上に設け、車いすスペースには暖房器を備える。

 1編成(2両)の製造には約5億円かかる見込み。植田社長は「国や県、沿線3市4町から支援をいただけるよう調整している」と述べた。今年度行った車両の設計(2億円)では、計9割の補助を受けている。

 植田社長は「老朽化で日常利用のお客様には不便をかけており、今後は一定のサイクルで新造車両に置き換えていきたい」とも話した。

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