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「子どもの介護」でも休業取得しやすく…厚生労働省が来年度からの基準改定へ

読売新聞 / 2024年12月18日 15時0分

厚生労働省

 厚生労働省は、企業などが従業員の介護休業を認定する際に使う「判断基準」に、子どもの介護も対象だと明記する方針を固めた。現行の基準は高齢者介護を前提としており、日常的に医療行為が必要な「医療的ケア児」や障害児を育てる労働者から、申請しづらいとの声が相次いでいた。来年度からの運用を目指す。

 介護休業は2週間以上、常に介護を必要とする家族がいる場合、1人につき最大93日取得できる。1995年に始まった制度で、高齢化が進む中、家族の面倒を見るために仕事を辞める「介護離職」が問題となって導入された経緯がある。

 このため、高齢者介護を念頭に置いている。休業が必要なほどの介護状態であるかを見極めるため、厚労省が定めた判断基準の中には、「認知症高齢者等」との記載は出てくるが、子どもに関する文言はない。

 現行の基準では「歩行」「排せつ」など12項目に、できないことがあるなど一定程度該当するか、要介護2以上である場合、休業が認められる。対象が子どもであっても、基準を満たせば取得は可能だ。

 だが、労働者側からは「子どもに関する記載がないため、申請しにくい」、企業側からは「認めていいのかどうか、悩ましい」といった意見が国や自治体に寄せられていた。

 20歳未満の医療的ケア児は、医療技術の進歩によって救える命が増えたことで増加。2008年に1万人を超え、23年は約2万人と推計されている。身体障害や知的障害を持つ18歳未満も37万人超に上る。

 厚労省は年内に有識者研究会を発足させ、障害児らを育てる当事者や企業からヒアリングを行って基準の見直し案を検討する。新基準には子どもの介護も対象だと明示する方針という。

 厚労省の約6300事業所を対象にした調査では、22年度に介護休業を取得した従業員の割合は、0・06%。来年4月に改正育児・介護休業法が施行され、企業には40歳前後の社員への介護休業制度の周知が義務づけられる。障害児や医療的ケア児を育てる労働者への配慮義務も企業に課され、仕事と育児・介護との両立支援が広がる見通しだ。

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