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リンゴの新品種「麒麟児」、弘前大が登録…主力品種「ふじ」の枝先で突然変異

読売新聞 / 2024年12月19日 16時59分

新品種「麒麟児」と通常の「ふじ」(右端)。麒麟児は大きさと果皮の赤さが特徴だ

 弘前大学は、リンゴの主力品種「ふじ」の枝変わり(突然変異)品種「麒麟児きりんじ」が、農林水産省に品種登録されたと発表した。麒麟児は、ふじより果実が大きく、果皮も赤色が濃い。通常、11月中旬頃に収穫されるふじより半月ほど収穫期が早い特徴があるという。

 同大学藤崎農場(青森県藤崎町)でリンゴの品種改良に取り組んでいる林田大志助教によると、新品種発見のきっかけは、2009年に鳥取県八頭町の果樹生産者、丸山茂さんが、栽培していたふじの枝先に通常より大型で赤い果実を発見したこと。丸山さんは、鳥取大学の研究者を通じて、当時、弘大で助教を務めていた松本和浩さん(現・静岡大学教授)に研究を依頼した。

 10年から藤崎農場で栽培試験を始め、19年まで試験を重ねてデータを収集。その結果、通常は1個300~350グラムのふじと比べて、500~650グラムと重さが2倍近い品種であることがわかった。味は甘みと酸味のバランスが良く、耐病性や栽培の仕方は、通常のふじと変わらない。冷蔵貯蔵すれば年内は品質が保たれるという。20年7月に農水省に品種登録出願し、今年9月に正式登録された。

 弘大では、これまでリンゴの新品種6種を登録している。16年に「きみと」などを登録して以来、8年ぶり7種目の新品種となる。麒麟児という品種名は、発見された鳥取県の伝統芸能「麒麟獅子舞」や、「将来性ある若者」という意味にちなんで名付けた。

 麒麟児は今年、農場内にある6本の木から約600キロを収穫。11月には松本さんを通じて、静岡市内のスーパーで初めて販売された。

 林田助教は「今後は地元の苗木販売業者にも働きかけて普及を図るほか、長期貯蔵の方法も探っていきたい。大型で赤いリンゴを好む中国向けの輸出にもつなげたい」と話している。

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