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「技術の日産」外部頼み再び…迷走25年、ホンダとの統合が「起死回生」の一手となるか

読売新聞 / 2024年12月18日 23時17分

日産自動車の本社(2023年1月、横浜市西区で)

 ホンダと日産自動車の統合協議入りは、経営不振にあえぐ日産にとって、ライバルから塩を送られるような事態と言える。日産は1990年代後半以降、倒産寸前とされた経営危機に直面し、外部資本に頼ってきた。歴史は再び繰り返されるのか。(向山拓)

V字回復

 「技術の日産」と呼ばれ、トヨタ自動車と並ぶ名門だった日産だが、バブル崩壊後は過剰な生産能力を抱えて急速に業績が悪化した。

 2兆円を超える有利子負債を抱えて身動きが取れなくなり、日産は1999年、仏自動車大手ルノー傘下に入った。ルノーから日産に乗り込んだカルロス・ゴーン氏は、主力工場の閉鎖や人員削減などを柱とする再建計画「リバイバル・プラン」を断行し、V字回復を果たした。2010年には、黎明れいめい期の電気自動車(EV)市場に「リーフ」を投入した。

 後に三菱自動車も加えた3社連合は17年に最盛期を迎える。世界販売台数は計1060万台と初の大台を超え、うち日産が最多の581万台を占めた。日産の実力はすでにルノーを逆転していたが、経営に口を出し続けるルノーに、日産は不満を募らせた。

好調続かず

 業績の好調も長くは続かなかった。18年11月、日産会長だったゴーン氏らが、報酬額を過少に申告した疑いなどで逮捕された。ルノーとのつなぎ役だったゴーン氏の失墜で、両社の溝はさらに広がった。コロナ禍やロシアのウクライナ侵略、米テスラなどEV新興の台頭が重なり、業績は再び悪化した。ルノーと日産は23年2月、資本関係の対等化で合意した。

 日産は経営の自由度を高めたものの、直面したのは単独で生き残る難しさだった。ルノーと三菱自が結んでいた部品の共同購入契約を解消したことで「車両のコスト削減が進まなくなった」(日産関係者)。北米市場で人気の高いハイブリッド車(HV)を投入できないことが致命傷となり、24年9月中間連結決算の最終利益は前年同期比9割減に落ち込んだ。

株価ほぼ半減

 内田誠氏が社長に就任した19年12月以降の5年間で、日産の株価はほぼ半減。他社に買収される可能性が高まったとみたアクティビスト(物言う株主)が大株主として名を連ねる。

 世界で9000人を削減するリストラを強いられたにもかかわらず、今月発表した役員人事は、経営幹部の配置転換にとどまった。誰も責任をとらない姿勢に社内外から不満の声が相次ぐ。ホンダとの統合が起死回生の一手となるのか。市場は、協議の行方を注意深く見つめる。

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