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「何とかして出なあかん」命をかけた5分間の救出劇…車が川で水没、窓を外して親友引き出す

読売新聞 / 2024年12月20日 9時30分

事故現場で当時の状況について話す宮本さん(香川県観音寺市で)

 香川県観音寺市内で11月に起きた車同士の衝突事故で、川に転落した車内から友人を救出した高松市木太町の会社員、宮本裕貴さん(27)に、県警や観音寺市交通対策協議会から感謝状が贈られた。自らの危険を顧みず、落ち着いた行動で友人の命を救った。(須藤さくら)

 11月2日、宮本さんは観音寺市に住む10年来の友人の男性(27)の元を訪れていた。友人が初めての車を納車した日。「事故が起こらないよう、おはらいに行こう」と2人で神社に行く約束をしていた。

 駐車場を出て、友人の運転で信号のない交差点を直進した時、左から来た車と衝突。その弾みで車体が大きく傾き、約5メートル下の川に車ごと落下した。

 大雨の影響でいつもより水量が多く、川の水深は約1・6メートル。逆さまになった車内にはすぐに水が入ってきた。シートベルトは外れたが、水位はどんどん上がってくる。「このままだったら死ぬ」とパニックになった友人の腕をつかみ、「落ち着こう」と声をかけた。だが、しばらくして隣で友人が意識をなくし、つかんでいた腕から力が抜けていった。

 「何とかして出なあかん」。宮本さんは体重をかけて助手席の窓を足で押し続けると、外れた。車外に出て、窓から友人を引き出して救助した。

 息をしていなかった友人の背中を押し、水を吐かせて救命措置を行った。動画を見て、覚えていた救助法だったという。

 意識を取り戻してきた友人に「分かるか」と声をかけると、「ごめん」と返事があった。その後、通りかかった車に救助を求め、2人は病院に搬送された。宮本さんは軽傷で、友人は1週間入院したという。

 事故後に現場を走り去った車の男は翌日、道路交通法違反(ひき逃げ)容疑などで観音寺署に逮捕された。

 今月12日、同署などは「人命救助に多大な功労があった」として感謝状を贈った。

 宮本さんは事故から友人を救出するまでの約5分間を「親友を何とかして助けたいという思いがあったから行動することができた。親友も自分も、大きなけがもなく戻ってこられて本当に良かった」と振り返る。

 事故後、窓を割る道具を車に備えるようにしたといい、「事故はいつ起こるかわからない。人ごとと思わず、普段から気をつけて準備をしておくことが大切」と話した。

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