千葉・柏の夫婦殺害と８棟全焼、逮捕の男はナンバープレートの一部をテープで隠した車で逃走

住宅８棟が全焼した火災現場（１９日午後、千葉県柏市で、読売ヘリから）＝米山要撮影

　千葉県柏市高柳の住宅街で１８日夜に夫婦が殺害され、直後に近くの住宅８棟が全焼した事件で、公務執行妨害の疑いで逮捕された職業不詳の男（７７）が逃走時に使っていた車は、ナンバープレートの一部がテープで隠されていたことが捜査関係者などへの取材でわかった。県警は追跡から逃れるためだったとみて調べる。

　事件では、柏市高柳の住宅敷地内で１８日夜、この家に住む渡来敏明さん（５９）と妻の礼子さん（５９）が刺されて倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。夫婦には腹や胸などに複数の傷があった。

　男は事件直前まで全焼した住宅に住んでおり、火災の後は連絡が取れなくなっていた。県警は１９日、男が他人の家に火を付けたとして、現住建造物等放火の疑いで逮捕状を取り、行方を追っていた。

　県警が男を発見したのは１９日夕。千葉県印西市内のあぜ道で、「朝から不審な車がエンジンをかけたまま駐車している。黒っぽい軽ワゴン車で、柏ナンバー」と目撃者から１１０番があり、捜査員が駆けつけた。

　車はナンバーの一部がテープで隠されていた。運転席に座っていた男は職務質問を受けると、捜査員に向かって車を急発進させるなどした。

　県警は、夫婦が死亡した経緯についても男が事情を知っているとみて調べる。