1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

クーペスタイルのSUV「フロンクス」、スズキの小型車技術が詰まったクルマだった

読売新聞 / 2025年1月10日 11時40分

日本仕様では、機械式駐車場に収まるように車高を下げたクーペスタイルを採用

 スズキの小型SUV(スポーツ用多目的車)「フロンクス」に試乗した。一般的な機械式駐車場に収まるサイズの小型SUVは、各社から様々な車種が出ていて、販売競争が激しい。「フロンクス」は軽自動車などの生産で培ったスズキの小型車技術を生かして、取り回しの良さ、サイズに似合わない快適な室内空間などを特徴にしている。

インド生産の世界戦略車、日本仕様では4WDも設定

 昨年8月に試乗記で取り上げたホンダの小型SUV「WR―V」と同じく、インド現地法人で生産している。2023年からインドのほか中南米や中近東などの地域でも販売されているグローバルカー(世界戦略車)で、各地の好みに合わせてアレンジはされる。日本仕様では機械式駐車場に収まるように車高を下げたクーペスタイルとし、四輪駆動(4WD)も選べるようにした。

 正面のデザインを見てみよう。下部分は前輪のフェンダーが正面の一部を覆うような形状で、2段式ヘッドライトと合わさり、上部のクーペスタイルの流麗さとは対照的に力強さを感じさせる個性的なデザインだ。特にタイヤにかかる部分はダブルフェンダーとなっている。ダブルフェンダーは、正規のタイヤより幅広なタイヤを装着する際に、はみ出すタイヤを覆うように重ねて装着するフェンダーのことだ。小石や泥などの跳ねから車体や歩行者を保護する役割を果たしているが、「SUVの力強さとダイナミックさを表現するのが狙い」(デザイン担当者)というデザイン的な側面もあるようだ。

最小回転半径4・8メートルはトヨタ「ヤリス」と同じ

 実際に運転してみると、取り回しの良さに驚く。最小回転半径は4・8メートルだ。軽自動車「アルト」が4・4メートルである。「フロンクス」の場合、「アルト」より全長が60センチ長いため最小回転半径は大きくなるが、タイヤ周りのレイアウトなどを工夫して拡大幅を抑えた。ちなみに最小回転半径4・8メートルは、トヨタ自動車の小型車「ヤリス」と同じ数値である。

 クーペスタイルなので、後席空間は影響を受けるかと思ったが、そんなことはなかった。頭の上の高さは十分あり、座席も床から座面まで適度な高さがあって自然な着座姿勢がとれて長距離を走っても疲れは少ないと思われる。座面までの高さが低いと、いわゆる体育座りのような姿勢となり、腰だけで体重を支えるため、長時間座っていると疲れやすいのだ。

長距離ドライブでも疲れない工夫、静粛性も向上

 座席の形状も疲れにくい工夫を施している。座面を長くするとともに座面の両脇を高くして、着座姿勢が崩れにくくしている。

 また室内の静粛性にも力を入れている。エンジンルームからの音を低減するため、遮音パネルの厚さや素材を工夫。さらに4WDの場合、後輪駆動部分の音が後席に影響しやすいが、振動を抑える対策を施して2WDと同じレベルを実現したという。

 4WDなので運転の安定性は増す。通常の路面走行では前輪に駆動力を配分していて、滑りやすい雪道などでは前後輪に最適な駆動力を配分するシステムを採用している。ハンドル部分にはパドルシフトも設定されており、マニュアル感覚を楽しむこともできる。もちろん様々な運転支援機能も充実している。

 クーペスタイルなのでSUV以外のクルマからでも乗り換えやすいだろう。取り回しの良さ、室内の静粛性向上など細やかなところに配慮した点と合わせ、初めてSUVに乗るという人にとって候補車の一つになるはずだ。(デジタル編集部 松崎恵三)

【仕様・主要諸元】(試乗した4WDモデルの場合)
 ▼全長・全幅・全高(ミリ) 3995・1765・1550
 ▼総排気量(L) 1.46
 ▼燃費 WLTCモード(キロ/リットル) 17.8
 ▼価格 273.9万円(オプションは除く)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください