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「103万円の壁」見直し、与党税制大綱「123万円に引き上げ」明記…3党協議次第で修正の可能性も

読売新聞 / 2024年12月20日 20時38分

与党税制改正大綱が決まり、記者会見する自民党の宮沢税制調査会長(右)と公明党の赤羽税制調査会長(20日、国会内で)=川口正峰撮影

 自民、公明両党は20日、2025年度の与党税制改正大綱を決定した。年収が103万円を超えると所得税が課される「103万円の壁」の見直しについて、会社員らの非課税枠を123万円に引き上げると明記した。ただ、国民民主党との合意には至っておらず、3党が来週に再開する協議の動向によっては、内容が修正される可能性もある。

 自民税制調査会の宮沢洋一会長は大綱決定後に記者会見し、「防衛財源の確保に結論を出すなど、それなりの成果を得た」と強調した。政府は大綱を踏まえて税制改正関連法案を国会に提出する。

 給与所得者の非課税枠を103万円から123万円に引き上げる。所得税で全ての人に原則一律で適用される基礎控除(48万円)と、会社員らの給与から差し引く給与所得控除(最低55万円)を、25年分からそれぞれ10万円ずつ引き上げる。住民税の基礎控除は現行を維持する。必要な法改正が間に合わないため、25年分は年末調整などで対応する。

 大学生年代(19~22歳)の子供がいる親の所得税負担を軽くする特定扶養控除(63万円)も、満額適用される子供の年収の上限を103万円から150万円に引き上げる。大学生を含む全ての年代の扶養控除の上限を123万円に伸ばした上で、アルバイトなどで稼ぐ大学生年代には150万円までの「特定親族特別控除」という減税措置を新設する。150万円を超えた場合は、控除額が段階的に縮小する仕組みとする。

 高校生年代(16~18歳)の子供がいる親の所得税負担を軽くする扶養控除(38万円)は、現行制度を維持する。政府・与党は今年10月の児童手当の拡充に合わせて扶養控除を縮小する方針だったが、子育て世帯に配慮して先送りした。

 防衛力強化の財源を確保する増税については、法人、たばこの2税を26年4月から引き上げる。所得税は増税時期の決定を先送りした。

 大綱決定に先立ち、自民、公明、国民民主3党の幹事長が国会内で会談した。103万円の壁の見直しを巡り「引き続き誠実に協議を進める」とする合意文書を交わし、協議を来週再開することを確認した。引き上げ幅を巡る議論は決着が持ち越され、協議次第では、大綱に明記された「123万円」が覆される可能性がある。

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