米高官、「テロリスト」指定のシリア暫定政権主導者と異例の面会…15億6000万円の「懸賞金」廃止を伝達
読売新聞 / 2024年12月21日 11時33分
【ワシントン=淵上隆悠】米国のバーバラ・リーフ国務次官補(中東担当)は20日、アサド政権が崩壊したシリアの首都ダマスカスで、暫定政権を主導する旧反体制派「シャーム解放機構」(HTS)の指導者アフマド・アッシャラア氏と会談した。政権移行を支援する考えを示し、米国が「外国テロ組織」に指定するHTSを率いるアッシャラア氏にかけている懸賞金を廃止する方針も伝えた。
米国はアッシャラア氏個人についても「特別指定国際テロリスト」に指定しており、米高官が会談するのは極めて異例だ。イスラム過激派を源流としながらも、シリア再建に向けて穏健路線を掲げるHTSとの関係構築を優先した模様だ。
米国は、アッシャラア氏の所在特定につながる情報に最大1000万ドル(約15億6000万円)の懸賞金をかけていた。リーフ氏は会談後、記者団に対し、懸賞金を廃止することについて、「HTSと協議を始めることを踏まえた政策的な決定だ」と説明した。
会談では、リーフ氏が女性や多様な宗派、民族の権利を尊重する包摂的な政府の樹立を求めた。アッシャラア氏側は、優先事項としてシリアの経済回復を挙げたという。
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