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鍵山優真、親子で全日本王者に「これで壁乗り越えられそう」…演技後は大の字になり「やってみたかった」

読売新聞 / 2024年12月21日 22時22分

男子で優勝した鍵山優真のフリー(21日)=武藤要撮影

 フィギュアスケート・全日本選手権第2日(21日・大阪東和薬品ラクタブドーム)――男子フリーは、鍵山優真(オリエンタルバイオ)が205・68点でショートプログラム(SP)に続いて1位となり、合計297・73点で初優勝を飾った。鍵山は来年3月の世界選手権(米ボストン)代表に内定した。SP2位でジュニアの中田璃士(TOKIOインカラミ)がフリー173・68点、合計263・99点で2位。壺井達也(シスメックス)が3位に入り、37歳の織田信成(大阪ク)は4位だった。ペアのSPは三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が74・16点で首位。アイスダンスのリズムダンス(RD)は吉田唄菜、森田真沙也組(木下アカデミー)が1位だった。

4回転フリップ、出来栄え点4・71

 重圧と緊張から他の実力者たちがミスを重ねる中、鍵山は一人だけ周囲と違う空気をまとっているようだった。直前に年下の中田が会心の演技を見せたが、それにも動じず、「全部出し切れた」。2012年大会以降、羽生結弦さん、宇野昌磨さんの2人が優勝を分け合ってきた全日本で、ついに頂点に立った。

 冒頭の4回転フリップを決めて4・71の高い出来栄え点(GOE)を獲得し、続く4回転サルコーも成功。後半のジャンプでミスが出たが、「気持ちは冷静だった」という。演技後は氷上に大の字になって喝采を浴び、「やってみたかった。気持ちよかった」と笑った。

 昨季終了後、全日本6度優勝の宇野さんが現役を引退。一気に注目度が高まったが今季はジャンプが不安定で、理想の演技ができなかった。それでも気持ちを切らさず、「(良い時の)イメージを体の感覚につなげて」リンクに立ってきた。

 「これ(全日本のタイトル)で、今まで苦しんできた気持ちや、ぶつかってきた壁を乗り越えられそう」と鍵山。かつて全日本を3連覇した父親でコーチの正和さんは、「僕の中で一番重い(タイトル)。持っているかいないかで『世界のトップを狙う』という言葉の重みも違ってくる」と語った。名実ともに日本のエースとして、鍵山が世界に挑む。(岡田浩幸)

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