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北九州市殺傷事件、平原容疑者は資産家の生まれで「口数の少ない普通のお父さんだった」…1年以上前に離婚

読売新聞 / 2024年12月22日 5時0分

小倉南署を出る平原容疑者(21日)

 北九州市小倉南区のファストフード店で中3男女が男に殺傷された事件で、男子生徒(15)への殺人未遂容疑で逮捕された同区の無職平原ひらばる政徳容疑者(43)について、近所の人らは異変を感じ取っていた。

 「1年ほど前から様子がおかしかった」。同区長尾の一軒家で暮らしていた平原容疑者を知る近所の70歳代男性はそう語る。親族と一緒に住んでいたが、少し前から一人暮らしになったという。拡声機を使って奇声を上げるなどの騒音トラブルが目立つようになり、地域から徐々に孤立していった。

 平原容疑者は同区守恒本町で育った。複数の関係者によると、実家はマンションや土地をいくつも所有する資産家だった。地元の私立高に通い、バスケットボール部に所属。複数の元同級生は気が小さくておとなしい印象を持っていた。

 平原容疑者が中学高校の頃に行きつけだった理髪店の店主(50歳代)らによると、高校卒業後も定期的に訪れ、「派遣の仕事をしている」「職業訓練に行っている」などと話した。2009年5月には顔そりのために来店。理由を聞いた従業員に、「あしたが結婚式」「子どもも生まれる」とうれしそうに語ったという。

 その後、同区長野のアパートで妻、娘と3人で暮らしたとみられる平原容疑者。同じアパートだった50歳代女性は、小学校低学年だった娘と遊ぶ姿を覚えているという。「あいさつもして礼儀正しく、口数は少ないけど普通のお父さんだった」と話す。一家は5年ほど前に突然、転居。妻から「ばたばたしてあいさつできず、すみません」と連絡があったという。女性は「引っ越した後、何があったのか」と表情を曇らせた。

 結婚後、来店が途絶えていた理髪店を20年に久々に訪れた際には「子どもが10歳になった」と話したが、次に訪れた昨年1月は問いかけても会話にならず、目の焦点が合っていない様子だったという。店主は「完全に人が変わってしまっていた」と振り返る。

 捜査関係者によると、平原容疑者は1年以上前に離婚。逮捕後の映像を見た元同級生は「みんな『人相が変わった。別人だ』と驚いていた。事件に怒りもあるが、悲しさもある」と唇をかんだ。

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