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2024回顧・日本 元日の平穏破った自然の脅威

読売新聞 / 2024年12月22日 5時0分

 新年早々に能登半島を襲った大地震は、多くの命を奪い、人々の暮らしを一変させた。秋には大雨が追い打ちをかけた。自然の猛威を見せつけられた1年だった。

 読売新聞の読者が選んだ「日本10大ニュース」の1位は、「石川・能登で震度7、津波被害」だった。元日に発生した地震で多くの家屋が倒壊し、災害関連死を含め死者は500人に迫っている。

 道路の寸断で支援が遅れ、過疎地で災害が起きた際の復旧や復興のあり方が問われた。今後も社会で議論を深めるべき問題だ。

 地震の翌日には、支援物資を運ぶ海上保安庁の航空機と日本航空機が、羽田空港で衝突、炎上した(8位)。炎に包まれる映像に、「今年は大変な年になる」と感じた人が多かったはずだ。

 9月には、能登の被災地を記録的な大雨が襲った(18位)。たび重なる災害に打ちのめされた住民らの心痛と苦闘を思う。

 SNSの「闇バイト」で集められた若者らが強盗の実行役となり、高齢者宅に押し入る事件が相次いだ(5位)。日本の治安を揺るがす深刻な事態である。

 警察は、捜査員が身分を隠して闇バイトに応募する手法を導入する方針だ。卑劣な犯行グループの摘発に生かしてほしい。

 国内の政局では大きな動きがあった。自民党総裁選で石破茂氏が新総裁に選ばれ、首相に就任した(7位)。しかし、直後の衆院選で自民、公明の与党は惨敗し、過半数を割り込んだ(6位)。

 少数与党の石破政権は、野党の協力がなければ重要法案を成立させられない状況にある。苦しい政権運営は、今後も続きそうだ。

 国際情勢は、ウクライナ侵略を続けるロシアが核兵器の使用をほのめかすなど、緊迫の度を増している。そうした状況で、被爆者団体の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」にノーベル平和賞が贈られた(9位)。

 唯一の被爆国である日本は、これまで以上に核廃絶への努力を重ねていかねばならない。

 スポーツ選手の躍動は、今年も多くの人を元気づけた。

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手がメジャー史上初の「50本塁打、50盗塁」を達成した快挙が2位に選ばれ、パリ五輪で日本が45個のメダルを獲得したニュースは3位に入った。

 大谷選手は来季、投打の「二刀流」の復活が期待される。来年も様々なスポーツの舞台で選手たちの活躍を楽しめそうだ。

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