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「台湾有事は日本有事であり、世界有事でもある」…頼総統の側近「トランプ氏の考えに貢献できる」

読売新聞 / 2024年12月22日 5時0分

19日、台北市の民進党本部でインタビューに応じる林秘書長=園田将嗣撮影

 【台北=園田将嗣】台湾与党・民進党の林右昌秘書長が19日、台北市で読売新聞のインタビューに応じ、頼清徳ライチンドォー政権の対外方針について語った。中国の軍事的威圧を非難し、米国のトランプ次期政権や日本との関係強化を重視する考えを強調した。インタビュー要旨は以下の通り。

米台関係

 台米関係はここ数十年間で最良といえる。米国の新たな情勢に注目しているが、トランプ氏が大統領になるのは初めてではない。前回大統領だった時、台湾に関わる多くの重要法案を可決させ、米国製武器の売却も決めてくれた。

 民進党政権・頼総統の下での台湾は、米国にとって安定して信用できるパートナーだ。(トランプ氏が防衛費の増加を求める)安全保障分野では、当然最大限の力を尽くす。台湾の存在に関わる根本的な問題だからだ。蔡英文ツァイインウェン前総統が就任して以降、軍事費は増加し続け、現在は過去最高となっている。

 台湾はより重要な国際的役割を果たさなければならない。8~9月に頼総統の代理としてワシントンやニューヨーク、ヒューストン、サンフランシスコ、ロサンゼルスを訪問し、調査研究機関や米国の要人らと会談した際に伝えたメッセージでもある。

 台湾の経済力は強大で、実質域内総生産(GDP)も伸びている。軍事関連の投資も増えており、当然今後も力を入れる。最近、米国から(購入した)新たな戦車が台湾に搬入された。高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」なども含め、私たちは常に自主防衛力を強化している。

 「米国を再び偉大にする」と掲げるトランプ氏の考えに、台湾は間違いなく大きな貢献ができる。米国が再び偉大になるためには、間違いなく台湾が必要だ。特に中国を除外した世界的なサプライチェーン(供給網)の再構築で、台湾は重要な役割を果たせる。

中台関係

 台湾は数十年間、ずっと中国の脅威にさらされている。中国は台湾が何をしても歓迎することはない。重要なのは中国が望むかどうかではなく、我々が何をすべきかということだ。

 中国の野心は台湾だけでなく、世界に向いている。そうでなければ、日本海や東シナ海、黄海、南シナ海、台湾周辺などこれほど多くの地域で軍事活動を行う必要はない。中国の目標は(南西諸島と台湾などを結ぶ)「第1列島線」を突破し、(伊豆諸島からグアムに至る)「第2列島線」に進出することだ。

 台湾有事は日本有事であり、世界有事でもある。

 中国は常に武力やその他の力を使って脅迫し、他国に圧力を与える。(11~12月に)頼総統が南太平洋3か国に外遊した後、中国は公表しない形式で「軍事演習」を実施した。台湾だけではない。日本を含む世界中の国が中国の脅威に直面している。中国のこうした振る舞いは、世界の民主主義国家の中国に対する警戒心をますます高めるだけだ。

 中国が台湾を抑圧すればするほど、台湾の国際的な認知度は高まる。世界の民主主義国家が台湾を支持しており、台湾が中国にいじめられ続けるのを望んでいない。

 台湾はより強くならなければならない。世界中の国と交流して友好関係を築き、世界の全ての民主主義国家に台湾を認めさせ、台湾が世界の安全保障や科学技術、経済の発展に貢献できることを理解してもらう必要がある。

日台関係

 台日関係は常に友好的で、民間の産業界や経済界が長年にわたり、交流関係を深めてきた。我々は日本の各界が国際舞台で台湾のために発言し、台湾と台湾海峡の安定を支持してくれていることに感謝している。

 (頼総統の代理として12月に)日本を訪問し、自民党の森山幹事長や高市早苗・前経済安全保障相、小林鷹之・元経済安全保障相と面会した。そのほか、立憲民主党の野田佳彦・元首相や日本維新の会の前原誠司共同代表、国民民主党の玉木雄一郎代表(役職停止中)ら計25人以上の国会議員と会談した。

 これだけ多くの日本の政治家と一度に会えたのは初めてだ。日本が台湾を重視しているからだと信じている。

 民進党はこれまで対米活動に重点を置いてきたが、日本との政党外交についても、もっと努力する必要がある。だから、今回の訪日は民進党にとって非常に重要な一歩だった。

 今後、民進党は日本の主要政党と定期的に交流するだろう。これは台湾と日本の協力を推進する上で、非常に有益だ。

 民進党と自民党との間には元々交流の枠組みがあった。自民党青年局が毎年、台湾を訪問していたが、民進党には対応する青年局がなかった。今年、私が民進党秘書長に就任した後、頼総統が党内に自民党青年局と同様の組織(民進党青年局)を設置するよう指示した。この組織が自民党青年局の対応相手になる。主要メンバーは45歳以下の民進党の立法委員(国会議員)や直轄市の市議、県議らで構成する。来年中に相互訪問が始動することを望んでいる。そうなれば政党間の交流はより円滑になるだろう。自民党以外の政党とも交流を進めていく。

 台湾と日本は産業と技術において協力し、補完し合う可能性を持っている。将来、双方の努力によって台湾と日本の経済はより繁栄すると信じている。

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