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数学教師「お前らに好かれる気なんてない」、「ハズレ」だと思った先生が恩師に変わったワケ…教育系YouTuber・葉一

読売新聞 / 2024年12月27日 10時0分

友だちに囲まれ、高校生活は充実していたそう(3列目の左端が葉一さん) ※一部を修整しています

 YouTubeで小学生から高校生向けの授業動画を配信し、大人気の葉一さん(39)。中学でのいじめから解放され、高校生活はガラリと変わったものになったという。(読売中高生新聞編集室 塩島祐子)

「お前らに好かれる気なんてない」

 「高校入学前の春休みに、身長が5cmくらい伸びる一方、体重も10kgほど落ちました。理由はよくわからず、自分でも驚いたのですが、それまでの過度なストレスから解放されたからなのかなと思っています。ぽっちゃり系だった体が引き締まり、髪の毛や眉毛まゆげを整えたこともあって、見た目はずいぶん変わりました。

 高校に入学すると、クラスの男子たちが『カッコイイね』と言ってくれたり、髪形をほめてくれたりして。周囲からかけられる言葉が変わったことで、少しずつ自己肯定こうてい感が上がり、自信が持てるようになりました」

そして、ある一人の教師との出会いが、葉一さんの人生を変える。

 「松崎健一先生(数学担当)の最初の授業のことを、今でもよく覚えています。先生は自己紹介のなかで、『俺はお前らに好かれる気なんてないから』と言い放ったんです。正直、『うわっ、この先生ハズレだ。最悪…』と思いましたね。

 でも、授業を受けていくうちに、だんだん考えが変わっていきました。まず、授業がとてもわかりやすい。私は元々、数学が得意ではなかったのですが、松崎先生の説明を聞いていると頭の中が整理されて、問題が解けるんです。

 そして、板書がとてもきれいでした。『板書という作品を残すのが仕事だと思っている』と話されていたこともありました。いま、私が授業動画の板書の字を美しくしようとこだわりを持っているのも、松崎先生の影響です」

先生は授業以外でも、丁寧に生徒たちと向き合ってくれたという。

 「休み時間に質問に行くと、その場で必ず対応してくれました。難問でもすぐに解いて、説明してくれるんです。『後にして』と言われたことはなかったですね。他の仕事があっても手を止め、目の前の生徒を優先してくれました。

 雑談も楽しかった。奥さんやお子さんの話をしてくれる時もあって。自分をよく見せようとするのではなく、で接してくれているのがわかりました。

 私は松崎先生と出会うまで、先生という存在を信頼していませんでした。中学時代に太っていた私を笑いものにする先生がいて、信じられなくなっていたんです。そんな私に松崎先生は、『この先生みたいになりたい』と思わせてくれた。尊敬し、信頼を深めていきました」

見つけた夢

高校では友だちとの関係も良く、充実した日々を送った。

 「当初は『嫌がらせを受けないこと』が目標でしたが、そんなことは全然なく、めちゃくちゃ楽しかったです。特に思い出深いのは、体育祭。男子校なので、綱引きは手の皮がむけるくらい、みんな全力で取り組むんです。私も突き指しているのを忘れて没頭し、全治2週間が3か月に延びました(笑)」

そして迎えた高2の冬。進路について、ある思いが芽生えた。

 「当初は大学進学は考えておらず、専門学校志望でした。音楽に興味があったので、音響や照明について学ぼうと思っていたんです。でも、松崎先生と過ごすうちに、『自分の価値観をここまで変えた、教師ってすごい』と思うようになりました。

 『自分もこうなりたい』っていうモデルがいるのは、大きいですよね。教師になることを考え始め、高校2年の冬に、松崎先生に気持ちを打ち明けました。『いいんじゃないか』と言って、勧めてくれたのが、なんと、国立大の東京学芸大学でした。専門学校志望だった当時の私の偏差値からすると、約20も足りない!! 猛勉強の日々が始まりました」

プロフィル

はいち 1985年生まれ。2012年からYouTubeで授業動画の配信をスタート。YouTubeチャンネル(「とある男が授業をしてみた」)の登録者数は200万人超。

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