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2024回顧・世界 「米国第一」にどう向き合うか

読売新聞 / 2024年12月23日 5時0分

 ウクライナと中東で戦火が続くなか、「米国第一」を掲げる大統領が再び登場する。世界はどう向き合うべきか。

 読売新聞読者が選んだ今年の「海外10大ニュース」で、米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利したことが1位となった。

 トランプ氏は、同盟・友好国であっても応分の負担を求め、関税などを武器にディール(取引)で実利を得る構えだ。同盟国との関係や国際協調が後退するとの懸念が広がっている。

 連邦議会の上下両院も共和党が多数となる。トランプ氏が人事や政策で自身の考えを押し通し、混乱する場面も増えそうだ。

 大統領選では、トランプ氏が演説中に銃撃される暗殺未遂事件(2位)が起きた。民主主義の根幹である選挙が暴力で脅かされたことは、世界を震撼しんかんさせた。

 ロシアによるウクライナ侵略は3年目に入った。10大ニュースのうち4件が、ウクライナ情勢に関連したニュースだった。

 日本にとって深刻なのは、北朝鮮がロシアに軍を派遣し、戦闘に加わった(6位)ことだ。ロシアは見返りに北朝鮮の核・ミサイル開発を支援するとみられる。アジアの安定を損ないかねない。

 中東ではパレスチナ自治区ガザで、イスラム主義組織ハマスとイスラエル軍の戦闘が始まってから1年(7位)以上が過ぎた。

 ガザの人道危機に歯止めがかからない。イスラエルの連日の空爆などで、民間人を含む死者は4万5000人を超えている。

 ウクライナとガザで停戦をどう実現するか。トランプ次期米政権を含む国際社会の重い課題だ。

 中国では、日本人学校に通う10歳の男子児童が男に刺殺(4位)された。多くの人が深い悲しみと憤りを覚えたに違いない。

 中国は、日本人が狙われたかどうかなど詳細な動機をいまだ明らかにしていない。こうした対応を続けていては、日中関係の改善は望めないのではないか。

 12月に入り、韓国政治が一気に混迷の度合いを深めた。尹錫悦大統領が一時、非常戒厳を宣言(番外)した。国会は尹氏に対する弾劾だんがい訴追案を可決し、尹氏は憲法裁判所での弾劾審判に臨む。日韓関係への悪影響を憂慮する。

 18人が死亡した台湾東部沖地震(5位)では、義援金を送る動きが日本各地に広がった。東日本大震災で台湾から世界最大規模の義援金が寄せられたことに思いを致した人も多かったのだろう。

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