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発掘担当者が復元図『ビジュアル再現 平安京』

読売新聞 / 2024年12月26日 15時20分

 平安時代の都、平安京(現京都市)の風景を立体的な復元図とともに紹介した解説書『ビジュアル再現 平安京』=写真=が吉川弘文館から刊行された。「千年の都」と言われる京都だが、現存する平安時代の建物などは少なく、往時の繁栄への理解を深めてくれる。

 著者の梶川敏夫さん(75)は京都市文化財保護課長などを務め、長く市内の遺跡調査に従事してきた。本書に収録されている復元図も自ら描いたものだ。開発工事に伴う発掘調査の際、開発業者や住民らに遺跡の価値や調査の必要性を知ってもらおうと、これまで100枚以上の復元図を手がけてきたという。

 表紙の(ちょう)(かん)図は平安時代初期の都を描いた。794年に長岡京から遷都し、京都盆地の中心部に、道路が碁盤の目のような条坊制の都が築かれた様子を伝える。平安京の表玄関「羅城門」、国家の政務が行われた「朝堂院」、院政期に建てられた「六勝寺」などの復元図もカラーで紹介している。

 今年放送されたNHK大河ドラマ「光る君へ」に関連し、市内にある源氏物語ゆかりの地も紹介した。梶川さんは「地道な遺跡調査が進んでいる。平安京の姿を想像しながら、京都の町歩きを楽しんでもらえれば」と話している。(多可政史)

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