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インサイダー疑惑の裁判官、東京地検特捜部が在宅起訴へ…金融庁出向中にTOB情報で株買い付けか

読売新聞 / 2024年12月24日 5時0分

 金融庁に出向中の裁判官によるインサイダー取引疑惑で、証券取引等監視委員会は23日、裁判官の佐藤壮一郎容疑者(32)を金融商品取引法違反容疑で東京地検特捜部に告発した。また、別のインサイダー取引に関与したとして、東京証券取引所社員の細道慶斗容疑者(26)も告発した。特捜部は近く佐藤容疑者らを同法違反で在宅起訴する見通しだ。

 発表などによると、佐藤容疑者は最高裁事務総局から同庁へ出向し、企画市場局企業開示課課長補佐として株式公開買い付け(TOB)を予定する企業の書類審査などを担当していた今年4~9月、10社に関する未公表のTOB情報を基に計1万1800株(計約951万円)を買い付けた疑い。佐藤容疑者は約400万円の利益を得たという。

 細道容疑者は、東証で上場企業の適時開示などを担当する上場部開示業務室に所属していた同1~3月、コンビニ大手に関するTOB情報など3件の未公表情報を父親の正人容疑者(58)(同容疑で告発)に伝え、正人容疑者は公表前に計1万5200株(計約1706万円)を買い付けた疑い。正人容疑者には約600万円の利益があったという。

 監視委は同9月、3容疑者の関係先を強制調査していた。金商法は、TOBなどの重要事実を職務で知った公務員らが公表前に株取引をすることや、他人に利益を得させる目的で重要事実を伝えることなどを禁じている。違反した場合は懲役5年以下・罰金500万円以下の刑事罰もある。

 金融庁は23日、佐藤容疑者を懲戒免職処分としたと発表。企業開示課長を減給3か月(10分の1)、企画市場局前局長の井藤英樹・長官と現在の局長を戒告処分とした。東証を傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)も同日付で細道容疑者を懲戒解雇した。また、加藤金融相は東証に近く報告徴求命令を出す方針を明らかにした。

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