選挙ポスターの品位規定、来夏の都議選前の成立が焦点…公選法改正に駆け引きも
読売新聞 / 2024年12月24日 21時30分
選挙ポスターに一定の品位を求める規定を新設することを柱とした公職選挙法改正案を巡り、与野党7党が参加する協議の初会合が23日、国会内で開かれた。法改正の必要性ではおおむね一致しており、来年夏の都議選や参院選に間に合うよう、通常国会で早期に成立させられるかどうかが最大の焦点となる。
「(改正法を)施行した状態で都議選を迎えたい。成案を得るべく努力したい」
自民党の逢沢一郎・選挙制度調査会長は会合の冒頭でこう呼びかけ、各党に協力を求めた。
自民、公明の与党は会合で、立憲民主、日本維新の会、国民民主、共産、れいわ新選組の5党に同法改正案を提示した。選挙ポスターの品位保持規定に加え、選挙掲示板のポスターに候補者の氏名を記載する規定を設けることや、特定の商品の宣伝など営利目的の行為をした者に100万円以下の罰金を科すことなどを明記した。与党は「通常国会での成立を目指したい」と求め、目立った異論は出なかった。
協議は、7月の東京都知事選で、ほぼ全裸の女性など品位に欠けるポスターの掲示などが問題となったことを受けて始まった。与野党は9月に改正の方向で一致したが、政治資金規正法改正案などの審議で国会日程が窮屈となり、今国会での成立を断念した。
この日の協議では、憲法が保障する「表現の自由」とのバランスのほか、実効性をどう担保するかにも議論が及んだ。与党の改正案では、品位を損なう内容のポスターを禁じるものの、罰則規定を設けていないためだ。野党側からは「品位を守ろうと言ってもどこまで実効性があるのか」との懸念が示された。
今回の協議からは、10月の衆院選の結果を踏まえ、れいわを加えた7党が参加した。与野党は年明けにも次回の会合を開き、詰めの議論を行う。
ただ、協議がスムーズにまとまるかどうかは不透明だ。会合後、立民の大串博志代表代行は記者団に「(立民などが提出した)企業・団体献金禁止法案の結論を出した上で、ポスターなどのあり方も速やかに法案化していく」と指摘した。同法案は来年3月までに結論を得ることで与野党が一致しているが、この進み具合によっては協議が難航する可能性もある。
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