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ホンダ・日産協議、東南ア戦略は三菱自の合流がカギ…市場に一定のブランド力

読売新聞 / 2024年12月25日 6時46分

 ホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議を始めたことで、東南アジア市場でも生産や販売の戦略見直しが必要となる可能性がある。合流を検討する三菱自動車は東南アジアで一定のブランド力を持つ。中国勢が影響力を急速に増す中、成長市場を取り込むには三菱自が合流するかどうかもカギを握る。(奈良橋大輔、バンコク支局 井戸田崇志)

シェア9割

 三菱自は1960年代に東南アジアに本格進出し、同じ三菱グループの三菱商事と連携しながら販売網などを構築してきた。ピックアップトラックなど現地の需要に合わせた商品構成で市場を築いた。

 三菱自の2023年度の世界販売台数は81万台で、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内が約3割を占める。東南アジアの最大市場であるインドネシアでは、今年1~11月の新車販売台数のシェア(占有率)は8%と、トヨタ自動車、ダイハツ工業、ホンダに次ぐ第4位に位置する。日本勢が9割のシェアを握る中、一定の存在感を示している。日産のシェアはわずか0・1%だ。

 三菱自が経営統合に合流し、インドネシアで8割近い二輪のシェアを持つホンダと開発力や販売網を融合できれば、乗用車の競争力向上にもつながる可能性がある。

中国勢攻勢

 ただ、東南アジアでは中国勢が日本車の岩盤を崩そうと、攻勢を強めている。変調の兆しが表れ始めているのがタイだ。

 1~10月の新車販売台数は約47万台で、日本勢9社のシェアは計76%だが、かつての9割から下落傾向にある。中国BYDのシェアは既に三菱自を上回り、中国勢はタイを電気自動車(EV)の「一大生産拠点」にしたい政府の意向を受け、積極的な投資を行っている。

 ホンダ、日産、三菱自の3社は、いずれもタイに完成車工場を持つ。日産が16年に三菱自を傘下に収めた際には、東南アジア事業を三菱自が全面的に担う構想もあった。中国勢のシェアが徐々に拡大する中、3社の統合が実現すれば、東南アジアの生産拠点の再編は必至とみられる。

 ホンダの三部敏宏社長は23日夜、3社で行った記者会見後に従業員向けメッセージを出し、「中国勢を中心とする新興勢のEVが想像を超える速さで浸透し始めている。東南アジアでも脅威は日に日に増している」と危機感をみせた。

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