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北九州中学生殺傷事件、SNSに出回る偽情報「亡くなった子が警察署長の娘」…犯人名乗る人物まで

読売新聞 / 2024年12月25日 9時0分

捜索を受ける平原容疑者宅(19日午後2時11分、北九州市小倉南区で、読売機から)

 北九州市小倉南区のファストフード店で中3男女が男に殺傷された事件で、男子生徒(15)への殺人未遂容疑で逮捕された同区の無職平原ひらばる政徳容疑者(43)の自宅や車から押収された刃物が合計数十本に上り、様々な形状や長さのものがあることが捜査関係者への取材でわかった。男子生徒の目撃情報と特徴が一致する刃物も複数あり、福岡県警が鑑定を進めている。県警は動機や計画性の有無を調べており、女子生徒(15)に対する殺人容疑での再逮捕も視野に捜査する方針。

心ない投稿も

 「亡くなった子が警察署長の娘。(署長は)暴力団の捜査をしていたらしい」「犯人は外国人か」――。

 今回の事件では、X(旧ツイッター)などのSNS上で被害者や犯人に関するこうした偽情報が散見された。「俺が犯人」「私が犯人やで」と名乗りを上げる人物まで登場。夜間に飲食店を訪れた被害者側に落ち度があるかのような心ない書き込みもあった。

 法政大の藤代裕之教授(ソーシャルメディア論)は「容疑者が逃げていたことで人々の不安が高まっており、過激な情報で関心を引きつけ、収益につながる情報が広がりやすい状況にあった。確定的な情報がなかなか出ない中、人々の『情報欲求』に応えたのがSNSだった」と分析する。

 今回の事件のようなケースについて、「最も重要なのは、住民の不安解消やこれ以上の被害者を出さないこと。警察や行政、メディアには、パトロールの状況など安心できる情報を逐一発信し、デマを社会的に無価値な情報にすることが求められる」と指摘。また、「不確実な情報を流す悪質な利用者には、迅速に罰則が科せられるような制度の検討が必要ではないか」と話す。

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