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七代目三遊亭円楽、王楽が襲名「ポピュラーな名前小さくしないように」…小言言われ続けた六代目の遺言で

読売新聞 / 2024年12月25日 16時25分

三遊亭好楽

 五代目三遊亭円楽の最後の弟子で、六代目円楽の弟弟子にあたる三遊亭王楽(47)が来年2月、七代目円楽を襲名する。これまでの落語家人生と襲名後の抱負を聞いた。(森重達裕)

 「五代目も六代目も、全国的に顔を知らない人がいないぐらいポピュラーな名前。小さくしないように」と気持ちを引き締める。

 人気番組「笑点」のレギュラー、三遊亭好楽の長男だが、大学生まで落語に全く関心がなかった。だが、ふとしたきっかけで聴いた落語に熱中し、「父親以外」で師匠を探した末に2001年、五代目円楽に入門。父とは兄弟弟子になった。

 当時68歳だった五代目には孫のようにかわいがられ、入門して2か月で10席もはなしを教わった。その後は「自分に似合うものばかりやってると固まっちゃう」と一門外の様々な先輩の所へ稽古に通った。

 現在持ちネタは200席近く。二ツ目時代にNHKの新人演芸コンクールで落語部門の大賞も受けた。「師匠を愛しているから誰に教わっても師匠の薫りが出ちゃう。あと、私は習わなくても声とか間がよく父親に似てると言われます。心外ですけどね」と苦笑する。

 だが、先輩が自分によくしてくれるのは、かつて好楽が彼らに親切にしていたからだと気づいた。「前座の頃から助かったことがいっぱいありました。何でも自由にさせてもらえたのは父親のおかげです」

 一方、2年前に亡くなった兄弟子の六代目円楽からは「お前の落語はダメだ」と小言を言われ続けた。「隣に父がいても怒られましたが、どんどん染みてきました。何でダメかは言わない。言われたら何がいけないんだろうと考えることが大事でした」。今回の襲名話は「七代目は王楽に」との六代目の遺言によるもので、厳しく接したのは期待の裏返しだったのだろう。

 入門同期で学年も同じスターに春風亭一之輔がいる。「ああいうモンスターが同期にいてくれてありがたい」。五代目円楽一門会にも先輩に三遊亭兼好、後輩に三遊亭萬橘と、ライバル視する実力者がいる。

 上方落語の大先輩、笑福亭鶴瓶にもかわいがられ、芸能界の人気者が集まる席にたびたび呼んでもらった。「鶴瓶師匠には『あれやで王楽、臆したらあかんよ。俺はSMAPも中村勘三郎もライバルに置いとるんや』と言われました」

 師匠、家族、先輩、ライバルへの感謝を胸にたどり着いた「円楽」の大名跡。今の目標は「もっとメディアに出たい」と言い切る。「“あの番組”もそうだし、役者もやってみたくて」

 披露興行の東京公演は2月26日~3月2日(1日は2回公演)、有楽町よみうりホール。連日、豪華ゲストが花を添える。(電)0570・06・6600。

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