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美容外科医の解剖研修投稿 統括院長が処分否定「動機は善で、他意はありません」

J-CASTニュース / 2024年12月25日 12時15分

美容外科医の解剖研修投稿 統括院長が処分否定「動機は善で、他意はありません」

「東京美容外科」黒田あいみ氏の紹介ページより

グアムでの解剖研修に際し、解剖の様子を撮影した写真などをSNSに公開し波紋を広げていた東京美容外科の医師・黒田あいみ氏をめぐり、黒田氏が所属する東京美容外科の統括院長・麻生泰氏が2024年12月24日、解雇などの処分を否定した。

「動機は善で、彼女に他意はありません」

東京美容外科・沖縄院院長を務める医師の黒田氏は、2日に公開したブログで「今回は fresh cadaver (新鮮なご遺体の解剖)で勉強をしにきていて」とし、複数の写真を公開した。

添付されていたのは解剖が行われている様子を背景に、複数の医師らで並んだ記念撮影写真や、解剖中の献体の頭部の画像など。絵文字付きのコメントを添え、同様の写真をインスタグラムにも投稿していた。

実際の人間の遺体を使って行われる解剖実習の様子をSNSに次々とアップした黒田氏に、倫理観を問う声が相次いだ。

批判が過熱する中、麻生氏は「黒田医師への処遇について」として自身のXに思いをつづった。

「様々な方々から、大学の先生を含め、黒田医師を解雇するように助言がございました」と厳しい対応を求める声が相次いだことを認めるも、一連の投稿について「黒田先生は、学生時代のホルマリン固定標本とは異なる、精度の高いfresh cadaverを初めて目にした感動をなんとか伝えようと、あのような投稿になってしまいました」と釈明した。

「ピースサインをして撮っていた事は当然不適切」「一般の方々とはかけ離れた行動で、日本では、常軌を逸しているとお思いの方が大多数であることは良くわかります」としつつ、「ですが、動機は善で、彼女に他意はありません」と主張した。

「今生きている人の命や安全も大切なんじゃないでしょうか?」

その上で、「一般の方々からのご批判は、当然受け止め、反省は致しますが、同業医師でありながら不勉強でfresh cadaverという言葉すら知らない医師に批判されたまま、炎上でトカゲの尻尾切りのように解雇する事はできないと判断しました」と処分を否定した。

麻生氏は、「もし自分が手術を受けるなら、医師になってからも更に研鑽を詰み、解剖を熟知した医師に施術して貰いたいと考えます」ともしている。

「今回の事で、国内の施設で我々が、解剖する事は今後絶望的となってしまいましたし、他の美容医療に携わる方にも大変迷惑をかけてしまいました」と騒動になっていることを認めた上で、解剖実習についてこう訴えた。

「ですが、死者への尊厳ももちろん大切ですが、今生きている人の命や安全も大切なんじゃないでしょうか? それが解剖セミナーの趣旨ですし、どんな言い訳や神妙な態度をとったところでご遺体を損壊する事実に変わりありません」

「日本の医療の進歩を妨げているのはどちらの方なのか」

「海外のfresh cadaverのセミナーでは割とフランクに記念撮影もしますし、セミナーの様子もネット上に出てきます」とし、海外での解剖実習で撮影された集合写真のスクリーンショットなどを添え、批判に反論した。

「日本と海外のルールの違いはあるかと思いますが、日本の医療の進歩を妨げているのはどちらの方なのか今一度考えて頂きたく思います」

一方、麻生氏のX投稿には、コミュニティノートが付けられ「米国でもご遺体は尊厳と敬意をもって扱われるべきとされており、写真撮影してSNSにアップする行為は非倫理的とされています。実際に米国の大学や教育機関では、画像をSNSで共有することを禁止する厳格な方針を設けています」と指摘されている。

実際に、麻生氏が公開した画像では、手術着姿の医師らが並んで記念撮影をしてはいるものの、周囲に遺体の写真などは写っていなかった。

美容外科・高須クリニックの高須克弥院長は、麻生氏の投稿を引用し「警告します。コミュニティノートを読みなさい。いい加減にしないとアメリカでみな処罰されるよ。間違った情報を拡散するな!」と怒りをあらわにしている。

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