予選会トップから本大会でシード権獲得目指す立教大…花の2区出走へ、火花散らすエース候補
読売新聞 / 2024年12月27日 10時58分
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)は2025年1月2、3日に行われる。予選会からの上位進出を狙う非シード校の走りも楽しみで、その注目のひとつは予選会トップ通過の立教大だ。今季スタート時に監督不在という逆境の中から、一歩一歩、力をつけ、3大会連続30度目の出場で63年ぶりのシード権獲得を現実的な目標に引き寄せたチームには自信があふれる。
「目標達成に向けた(選手たちの)集中力はすごい。それが自信となり、いい循環となってきた」。4月に着任した駒沢大出身の高林祐介監督は目を見張る。10月19日の予選会は専修大や山梨学院大、日本体育大など他の上位校を押さえてトップ通過。個人成績の100位以内に8人が入った。チームトップの個人15位(日本人3位)に入った馬場賢人(3年)は、「(酷暑の)厳しい状況の中でも先頭集団でレースを進められた。チーム力は上がっている」と手ごたえを口にする。
勢いは続き、11月3日の全日本大学駅伝では、2週間前の予選会でハーフマラソンを走ったメンバーを中心にまたも力走し、初出場で7位のシード権獲得に食い込む躍進となった。
箱根駅伝のエントリーには、前回出走したメンバーのうち卒業した4年生を除く8人がメンバー入り。高林監督は「山の5、6区は前回の経験者がいてアドバンテージがある。しっかり地に足をつけて、全日本のようにひと区間ずつつないでいきたい。往路で流れを作って粘り強くいきたい」と新春のレースをにらむ。
その往路のカギを握る「2区候補」も29日の区間エントリー発表を前に火花を散らす。前々回、前回と「花の2区」を2度走った國安広人(3年)はハーフマラソンの学内記録を持ち「後半のアップダウンで力負けしたが、他大学のエースと自分の力を比べることができた。今年は夏合宿で起伏のあるコースを走り込んで去年よりも走りは良くなった。駅伝で経験は大事で、そこは自分の強みだと思う」
同じく2区を希望する馬場賢人(3年)は過去2大会で4区と3区を走り、今年の全日本大学駅伝では各区のエースが入った7区で4位の好走を見せた。「2区はチームのエースが走る区間であり、今年はその自負がある。序盤から積極的な走りでいき、自分は上りが得意なので、後半の坂で他チームのランナーと競って食らいついていきたい」
昨年の立教大は予選会の直前に当時の監督が解任されるという波乱に見舞われたが、100回大会では14位と、前年から四つ順位を上げた。大会が終わり、実質的に監督不在の中で選手たちがメニューを作り、練習を行ってきた。そんな中で今春から指揮を任された高林監督は、「力をつけるという点で物足りなさを感じた」と、スピード強化重視から、距離を増やす練習に方向性を転換。チームの土台の底上げを図ってきた。
駅伝シーズンに入った秋以降、その成果は実を結び、箱根路でのシード権獲得を掲げられるところまでチームは成長した。「私が着任当初は、高いハードルだと思っていましたが、今はシード権獲得が現実的なものとなっています」――。今年の大学創立150周年に華を添える快走が見られるか。(編集委員 千葉直樹)
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