曲がる「ペロブスカイト太陽電池」、世界最高クラスの効率達成…京大などのチーム
読売新聞 / 2024年12月26日 13時13分
次世代太陽電池として注目されている「ペロブスカイト太陽電池」について、世界最高クラスの発電効率を達成したと、京都大や英オックスフォード大などの国際研究チームが発表した。実験レベルで従来のシリコン太陽電池の能力を上回り、さらなる向上も期待できるという。論文が24日、科学誌ネイチャーに掲載された。
軽くてしなやかに曲げられるペロブスカイト太陽電池は、設置場所を選ばないのが利点。重い物を設置できないビルの壁面や倉庫の屋根に取り付けたり、電気自動車(EV)の車体にシールのように貼って充電しながら走らせたりする用途が期待され、量産化に向けた取り組みが進んでいる。
京大化学研究所の若宮淳志教授(材料化学)らは、幅広い波長の光を効率良く利用するため、性質の異なるペロブスカイト結晶の層を複数重ねる「タンデム型」という手法を採用した。化学的な解析をもとに、高品質な結晶を印刷技術で作れるよう、成分の改良も進めた。
実験レベルで計測された発電効率は、2層重ねた時で最大29・7%に到達し、シリコンやペロブスカイトの1層構造の性能(24~27%)を上回った。理論上は35%まで改良できるという。若宮教授は「オックスフォード大のタンデム型の研究と、京大の化学研究の融合で果たせた国際的な成果だ」と話す。
産業技術総合研究所の村上拓郎・有機系太陽電池研究チーム長の話「今回の発電効率は驚くべき値だ。将来的な手法としてタンデム型の検討も進めるべきで、その一歩となる研究成果だ」
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