1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

国学院大・次世代エース候補は2年連続4区志望…箱根路初V&地元で区間賞に照準「父を超えたい」

読売新聞 / 2024年12月26日 15時34分

第100回箱根駅伝で国学院大の4区を任され、小田原中継所でたすきを渡す辻原輝。愛着のある4区を今回も希望する

 「4区は文字通り、僕の庭です」。そう豪語してはばからないのが、来年1月2、3日の第101回箱根駅伝で初優勝を狙う国学院大の辻原(ひかる)(2年)だ。前回大会では地元の神奈川県二宮町を通過する4区を走る夢をかなえ、今回も同区を志望。今の自分と同じ2年生で神奈川大の優勝メンバーとなった父・幸生さんに追いつき、追い越すため、チームを頂点に導く快走を誓う。(運動部 西口大地)

中学時代から目標は「箱根4区」

 実家から4区のコースは目と鼻の先で、「(箱根駅伝は)赤ちゃんの時から親にだっこされて、沿道に行っていた。中学校への通学路でもあり、あそこで走ってきたというより、本当に生きてきた」と言い切るほど、強烈な愛着を持つ。名前の「輝」は、母・美紀さんの「大学1年生の年に迎える第100回大会で、輝いてほしい」という願いを込めてつけられたという。

 地元の二宮中で陸上を始めた頃から、目標は「箱根の4区を走る」の一点張り。中高時代は目立った実績を残せなかったが、無名選手をトップレベルに引き上げる国学院大の育成力にひかれ、進路を決めた。1年目から5000メートル13分台、ハーフマラソン1時間2分台をマークする飛躍を遂げ、悲願だった箱根4区出走のチャンスをつかみ取った。

 慣れ親しんだコースに駆け出すと、沿道には家族や友人ら地元の見知った顔が次々と見つかり、「本当にスタートからゴールまで、ずっと名前が呼ばれていた」。圧巻の声援に背中を押され、区間4位の好走で順位を一つ押し上げ、5位でタスキリレー。チームの総合5位に大きく貢献した。

熟知したコースで想定外

 ところが、本人の達成感は少なめだった。熟知したコースのはずが、「大してアップダウンはないと思っていたのに、体がきつい状態で迎えるラスト3キロの上りが結構厳しかった」と、想像とのギャップを痛感。「ここをこうすればいいんじゃないかというのが明確になり、より次も走りたくなった」と、すぐさま1年後の再挑戦を見据えた。

 2年目の今季は一段と走力が増し、駅伝シーズンでは出雲、全日本ともに前半主要区間の3区に出走。それぞれ区間4位、3位の力走を見せ、レース後半での逆転優勝を呼び込む重要な役割を果たした。

 2度目の箱根に向けて一つの指標となるのは、父・幸生さんの実績だ。2年時に初出場した1998年大会で8区区間賞の快走を見せ、神奈川大の連覇に貢献。3年時には4区3位、4年時は「花の2区」で区間9位と、3度の出走で堂々たる足跡を箱根路に刻んだ。

 「父超え」にはチームの優勝、区間賞など高いハードルが並んでいるが、「お父さんは1年目に走ってないんで、そこは勝っているな」と胸を張り、「僕も2年生で優勝メンバーになって、4区で区間賞を取って、もう超えちゃおうかなと思う」と不敵にほほえんだ。

逆コースの7区ではダメ

 ただ、4区に懸ける熱い思いを聞くにつれ、「同じコースを逆向きに走る7区じゃダメなの?」と、素朴な疑問がわいてきた。その問いに対し、「僕は格上と戦った方がすごく燃えるタイプ。主力が集まる往路の方が持ち味を生かせるんじゃないか」と言ってのける強心臓ぶりは、チームにとっても頼もしい限りだ。

 12月13日に東京都内で行われた学内壮行会では、激励に駆けつけた大勢の学生や大学関係者らを前に「これまでの駅伝では惜しい区間順位が続いたが、箱根で区間賞を取るための布石だと考えている。名前にあるように『輝く』走りをして、チームを優勝に導きたい」と力強く宣言した。こだわり強めの次世代エース候補が、果たして切望する4区に再投入されるか、レース当日を楽しみに待ちたい。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください