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袴田巌さんの取り調べで問題点を指摘「供述に耳傾けたと言えない」…最高検と静岡県警が検証結果を公表

読売新聞 / 2024年12月26日 23時7分

 1966年に起きた静岡県一家4人殺害事件で、強盗殺人罪などで死刑となった袴田巌さん(88)の再審無罪が確定したことを受け、最高検は26日、捜査・公判や再審手続きの問題点を検証した報告書を公表した。検察官の取り調べについて「袴田さんを犯人であると決めつけた発言で自白を求め、供述に真摯しんしに耳を傾けたとはいえない」とした。

 静岡県警も同日、当時の捜査状況を確認した結果を発表。取り調べは長時間に及び、勾留の長期化をほのめかして自白を迫るなど「不適正だった」と認めた。

 袴田さんを巡っては、静岡地裁が今年9月に再審無罪判決を言い渡し、検察側が控訴せずに10月に確定した。地裁は、捜査段階の自白調書や、犯行着衣とされた「5点の衣類」など三つの証拠を「捜査機関が捏造ねつぞうした」と認定した。

 最高検は報告書で、再審請求審において、「5点の衣類」の写真のネガフィルムや取り調べの録音テープが2014年になって発見されたことに触れ、証拠の保管・把握が不十分だったとした。弁護側から写真に関する証拠開示の申し立てがあった1990年の段階で探していれば、早期に発見され、審理が進んだ可能性があると記した。

 一方、地裁の再審無罪判決が「5点の衣類」などの「証拠捏造」を認定したことに対しては、「客観的な事実関係と矛盾している」として強く否定した。

 再審請求から再審無罪まで40年余りもかかったことについては、約27年を要した第1次再審請求審を例に挙げ、「裁判所が積極的に審理する方策が十分でなかった」と言及した。再審の長期化に対する再発防止策として、▽捜査資料や証拠を適正に保管・管理する▽全国の高検に再審をサポートする組織を設置する――ことなどを挙げた。

 静岡県警は、袴田さんと弁護人との接見内容を県警が録音していたとし、「弁護人との秘密交通権を侵したことは重大な違法に当たり、深く反省する」とした。「証拠捏造」に関しては、当時の捜査員6人らに聞き取り調査を行ったものの、有無は確認できなかったと結論付けた。

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