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インフル急拡大 対策の緩みを再点検したい

読売新聞 / 2024年12月27日 5時0分

 本格的な冬が到来し、インフルエンザの患者が増えている。新型コロナウイルスなど他の感染症も流行中だ。感染対策は万全だろうか。年の暮れに再点検したい。

 インフルエンザは今シーズン、例年より約1か月早い11月初旬に流行期入りした。寒さが厳しさを増した12月に入って全国的に感染が拡大し、1医療機関あたりの患者が30人以上の「警報レベル」に達した地域も相次いでいる。

 手洗いや、人が集まる場所でのマスク着用、室内の換気といった基本的な感染対策が重要だ。空気が乾燥していると感染しやすくなるため、加湿器を使うことも予防策になる。マスクや解熱剤の買い置きも確認してほしい。

 高熱や全身の倦怠けんたい感などの症状がある人は、早めに医師の診察を受けて自宅で安静にし、十分な栄養や睡眠を取る必要がある。

 特に高齢者や持病のある人は、罹患りかんすると重症化しやすく、肺炎を起こして命を落としかねない。予防が一層重要になる。まだワクチンを接種していない人は今からでも検討してはどうか。

 小さな子供の場合には、インフルエンザによって脳症を起こすこともある。保護者は十分に注意してもらいたい。

 子供向けには鼻に噴霧する方式のワクチンも登場した。効果は注射と同等で子供が嫌がる痛みもなく、新たな選択肢になる。

 ただ、このワクチンは毒性を弱めたウイルスを原料としているため、まれにインフルエンザを引き起こしてしまうこともあるので、医師とよく相談してほしい。

 新型コロナも、感染者数の増加が続いている。年明けにはインフルエンザと同時に流行がピークとなることが懸念される。発熱や長引くせきの症状が特徴のマイコプラズマ肺炎も、これまでにない規模で流行している。

 コロナ禍で感染対策が強化されていた時期は、インフルエンザを含めて他の感染症は流行しなかった。そのため免疫力が低下した人が増え、平常の生活に戻った昨年以降、様々な感染症が一気に流行するようになったとみられる。

 また、コロナに対する警戒感が薄れ、一人ひとりの感染対策がおろそかになったことも影響している可能性がある。コロナは高齢者らにとって怖い病気であることを忘れてはならない。

 この年末年始は長めの休みが取れる人も多いのではないか。健やかに新年を迎えるためにも、体調管理に気を配ることが大切だ。

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