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芸能人の個人情報は価格5~6倍…警察共済組合で84人分の住所など検索、275万円の利益

読売新聞 / 2024年12月27日 13時46分

千葉地裁

 警察共済組合本部(東京)を舞台とした個人情報漏えい事件で、年金業務システムで得た個人情報を外部に漏らしたとして地方公務員等共済組合法違反に問われた元同組合千葉県支部職員で無職の男(32)(船橋市)の公判が26日、千葉地裁(西沢恵理裁判官)であった。検察側は、起訴された事件の情報漏えいだけでも被告が計275万4870円の売却益を得ていたと明らかにした。

 検察側は「立場の乱用も甚だしい」として懲役1年6月を求刑し、弁護側は執行猶予つきの判決を求めて結審した。判決は1月28日。

 被告は7~11月に4回起訴された。起訴状などによると、依頼者が希望する対象者の住所を教えるとSNSに投稿。同本部に勤めていた時期を含む昨年6月~今年5月、業務用パソコンを使い、日本年金機構が管理する「インデックス管理システム」を通じて84人分の住所や氏名、生年月日を不正に入手し、依頼者36人にSNSのダイレクトメッセージを通じて漏らしたとされる。起訴事実を認めている。

 26日の被告人質問では、被告がSNSで依頼者になりそうな人を探し、自ら連絡していたことが明らかになった。芸能人の個人情報は一般人の5~6倍の価格に設定していた。

 被告は、「犯罪に使わない」「情報を自分から聞いたことを口外しない」ことを承諾した依頼者にのみ、情報を漏らしたと主張した。検察側から、自分の犯罪が発覚するのを恐れ、禁忌事項を設けたのではないかと問われ、「そういう面もある」と答えた。

現住所は3万円

 検察側は論告で、被告は高額な値段設定で個人情報を意のままに売却していたと主張した。値段は、氏名の漢字や生年月日が1万5000円、現住所は3万円、実家の住所は2万円と細分化。依頼者が情報の正確性を疑って購入を渋ると、依頼者の情報を入手して3000円程度で売り、信用を得ていたという。

 検察側はまた、被告は、妻の収入が減っても切り詰めて生活するなどの努力をせず、安易に情報を漏えいしたと指摘。情報の対価を個人的な小遣いにも充てたとして、「極めて身勝手かつ利欲的」と述べた。

 弁護側は「被告は漏えいした情報が犯罪に使われるとは認識していなかった」と主張した。

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