強くてかわいい「畳のアイドル」藤城心、笑顔絶やさず「阿部詩超え」とロス五輪目指す

ＧＳ東京で２位に入った藤城心（左）と着飾った写真を自身のＸ（旧ツイッター）に載せた藤城（右）

　今月上旬に行われた柔道のグランドスラム（ＧＳ）東京・女子５２キロ級で、２位に入った藤城心（２３）（三井住友海上）は畳の上でも笑顔を絶やさない。理由は「（笑顔がトレードマークの）アイドルに憧れている」から。着飾った写真をＳＮＳで披露する一面もある成長株が、ロサンゼルス五輪の代表争いに名乗りを上げた。

　小学１年で柔道を始めて強豪の富士学苑高（山梨）でも活躍したが、社会人になってから国際大会の出場機会に恵まれなかった。ようやく今年３月のＧＳタシケントでシニアの国際大会に初出場し、４月のアジア選手権では２位に食い込んだ。「とにかく相手を投げたい」という攻撃一辺倒のスタイルで頭角を現した。

　柔道と並行しＳＮＳでは様々な洋服姿の写真も公開している。「柔道もアイドルも大好きだから、全力でやりたい」と活動していくうちに少しずつファンも増え、その応援を励みに結果を出してきた。

　この階級には東京五輪金メダリストの阿部詩（パーク２４）という、実力でも人気でも絶対的な第一人者がいる。それでも、「絶対に抜かさなきゃいけない存在。自分の強みを曲げないで、弱い部分をなくして上がっていきたい」と気後れするところはない。

　「アイドルのファンが私に興味を持ってくれることで、柔道を広めるきっかけにもしたい」と藤城。多くのファンの後押しを受けながら、ロス五輪へ力強く歩んでいきたい。（小高広樹）