来年度予算案 税収増も険しい財政再建の道
読売新聞 / 2024年12月28日 5時0分
安心して暮らせる社会の実現に、国の予算はどうあるべきか。日本経済の成長と財政健全化を両立させ、未来への資金を確保せねばならない。
政府は、2025年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は115・5兆円となり、24年度当初予算案から約3兆円増えて、2年ぶりに過去最大を更新した。
医療や年金などの社会保障費が38・2兆円となり、初めて38兆円を突破したことが大きい。
薬価引き下げや、医療費が高くなった場合に患者負担を抑える高額療養費制度の見直しなどの歳出改革を行ったものの、高齢化に伴う社会保障費の伸びは大きく、最終的には5585億円増えた。
国民の将来不安を解消していくために、社会保障の充実は欠かせない。一方で、科学振興や子育て支援、産業育成など未来への資金の確保も必須になる。
歳出全体の3分の1を占める社会保障費のさらなる抑制策に取り組んでいくことが重要だ。
防衛費も前年度比約7500億増の8・6兆円で過去最大だったが、日本の厳しい安全保障環境を踏まえれば、不可欠な予算だ。
国債など国の借金は、1300兆円を超え、主要先進国で最悪の水準にある。金利上昇で借金の利払い費も増えており、国債費も28・2兆円と過去最大となった。
日本が賃金も投資も増える「成長型経済」へと移行する場合、物価と金利も上昇することになる。このため、利払い費がかさむことが避けられない。無駄な歳出は不断に減らしていく必要がある。
予算案で目を引くのが、税収を過去最大の78・4兆円になると見込んだことである。物価高や好調な企業業績を背景に、前年度より8・8兆円も増えるという。
それでも、政策に必要な予算を賄うには全く足りていない。このため、新たに28・6兆円の国債を発行する計画だ。財政健全化の道のりは険しい。
政府は来年の通常国会に予算案を提出するが、与野党の協議で修正を迫られる可能性がある。
予算案では、年収が103万円を超えると所得税がかかる「年収の壁」を123万円に引き上げることに伴って、7000億円程度の税収減を見込んでいる。
国民民主党は178万円に引き上げるように要求し続けているが、その場合、7兆~8兆円の減収になると試算されている。
歳出の抑制が難しい中、大規模な恒久減税を行う余地は乏しい。現実的な議論が求められる。
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