災害前後の衛星画像をAIが比較、短時間で被災状況を解析…NEC開発・来年度中に試験導入
読売新聞 / 2024年12月28日 15時0分
NECは、AI(人工知能)を利用し、災害時に人工衛星の画像から建物や道路の被害を短時間で解析するシステムを開発した。被災状況の把握や救援活動、保険金の算定などでの活用を見込む。2025年度中に国内で試験導入を始める計画だ。
災害前後の衛星画像をAIが比較する。道路や屋根といった画像を構成する細かい点の位置や明るさなどの変化を解析し、短時間で広域の災害状況を把握できる。被害が激しかった地域の絞り込みのほか、建物1棟ごとの被害状況なども分析できる。
人間による衛星画像の比較には限界があり、従来は短時間での詳細な被害の解析は難しかった。1月の能登半島地震では、道路が寸断されて被災状況の確認に手間取り、救援活動などに影響が出た。新システムを活用すれば、優先的に救援が必要な地域を絞り込みやすくなる。
生成AIも活用し、「被害が最も大きな地域を教えて」「建物の被害状況のリポートを作って」といった質問や指示を与えれば、自動で回答を作成する。
地震のほか、大雨や竜巻などの災害でも使える。ハザードマップの更新や防災対策の立案などでも活用できるという。自治体や保険会社などの利用を見込み、26年度以降にシステムの販売を始める方針という。
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