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フェンシング「金」の加納虹輝、躍進の1年語る…「今までだったら絶対考えられない」快挙も

読売新聞 / 2024年12月31日 9時48分

個人金、団体銀の二つのメダルをかけてインタビューに応じる加納虹輝

 パリ五輪フェンシング男子エペ個人で金メダルに輝き、この競技の個人種目で日本初の五輪王者となった加納虹輝(27)(JAL)が読売新聞のインタビューに応じ、2024年の躍進を振り返り、28年ロサンゼルス五輪での個人、団体の2冠獲得へ意気込みを語った。(聞き手・佐野司)

 パリで個人金、団体銀を手にし、個人の世界ランキングは1位。11月には国際フェンシング連盟(FIE)から23~24年シーズンの個人年間王者として表彰された。「とても光栄だし自信になる。1試合、1試合の結果の積み重ねで最終的に一番になることができた」

 五輪のエペ個人決勝では、強豪フランスのヤニク・ボレルを倒して頂点に立った。「フランスにも勝てるという証明になった。本場のスタイルを崩すことができたのは大きな前進になった」と手応えを口にする。

 加納によると、フランスは背の高い選手が腕の長さを生かし、まっすぐ最短に正攻法で突いてくる。その最短をいかに遠回りさせるか、駆け引きで勝負するのが日本の戦い方だという。「例えば、リーチ差があっても、積極的に剣先を触りにいけば、相手はそれを防いだり、かわしたりしないといけなくなり、一つ余計なアクションが生まれ、スキを作ることができる」

 1メートル73の加納が1メートル96のボレルを破ったのはまさに日本流の真骨頂だった。加納は「以前は、日本のエペも『先に突け』、『速く突け』と教えられたが、09年から今年までウクライナ人のオレクサンドル・ゴルバチュク・コーチの指導を仰ぎ、今のスタイルが確立された」と感謝を口にする。

 加納の金を含み、男女でメダル計5個とパリで躍進した日本はエペ、フルーレ、サーブルの全種目を通じたFIEの年間最優秀チームにも初めて選ばれた。「今までだったら絶対に考えられない。欧州が強い競技でアジアの国が選ばれた意味は大きく、日本やアジアがさらに成長するきっかけになる」と意義を強調した。

 心残りはパリのエペ団体で連覇を逃したこと。「ロサンゼルス五輪で個人、団体の両方で金を取りたい。(出身の)愛知県で行われる26年アジア大会も大きな目標で、地元の方々にエペを見てもらえるきっかけになれば」と意欲を語った。

かのう・こうき 1997年12月19日生まれ。愛知県出身。小学6年でフルーレを始め、高校でエペに転向。早大時代の2019年に日本男子エペ史上2人目のワールドカップ優勝を果たし、21年東京五輪のエペ団体で金メダル。23年の中国・杭州アジア大会では個人、団体で金メダルに輝いた。

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