乳がん新治療薬を素早く活用、名古屋市立大が複数薬の同時検証開始…ドラッグロス解消も
読売新聞 / 2024年12月31日 10時54分
名古屋市立大などは、乳がんへの複数の治療薬の検証を同時に行う「プラットフォーム試験」を始めた。新規治療薬の早期承認が目的で、欧米で承認された新薬が国内で使えない「ドラッグロス」の解消にもつながると期待されている。
国内で行われている治療薬の検証では、治験の実施基準に対応する体制が整っていないため、臨床試験の実施数が少なく、承認までに時間がかかっていた。また、複数の海外治療薬の検証では、治療薬ごとに別々の臨床試験が必要なため、薬ごとに時間や費用がかかる課題もあった。
プラットフォーム試験では、複数の新規治療薬を同時に検証、承認することが可能なため、新規治療薬が国内の患者の治療に素早く活用できるようになる。さらに医師主導のため、新たな治療法に対応でき、対象患者の追加などもできる。同大によると、二つの新薬を試す場合、従来に比べて2年ほど期間を短縮できるという。
対象は、他の部位への転移のリスクが高まる浸潤性の乳がん患者のうち、ステージ2と3の患者。手術の半年前に化学療法として新薬を投与し、標準的な治療と比べて有効性を見る。収集したデータは15年間保持され、治療後の再発などを調べる効果検証にも活用される。
同大大学院医学研究科の岩田広治特任教授は「新薬開発はスピード感をもって進んでいる。世界の流れに置いていかれないようにし、多くの患者に還元していきたい」と話している。
日本乳がん学会理事長で、東北大学大学院医学系研究科の石田孝宣教授は「未承認薬の多くは日本人への安全性や有効性がわからない。医師主導で、データを収集、検証できれば迅速で正確な治験や新薬の開発につながり、患者を助けることにも役立つはずだ」と述べた。
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