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天皇陛下「希望を持って歩んでいくことのできる年に」…新年メッセージ、戦後80年「慰霊の旅」へ

読売新聞 / 2025年1月1日 0時0分

 天皇陛下は1日付で、新年を迎える感想を文書で公表された。今年は戦後80年の節目にあたり、「終戦以来、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられた」と振り返り、平和な世界の大切さを強調された。今年は皇后さまとともに沖縄、広島、長崎を巡る国内の「慰霊の旅」に臨まれる方向で検討が進んでいる。

 感想の冒頭、陛下は能登半島地震などの災害や物価上昇で、「多くの人にとって苦労の多い年であったことと思います」と昨年を回顧された。困難を抱えている人々を案じ、「今年も、人々がお互いを思いやり、支え合いながら、様々な困難を乗り越えていく」ことを願われた。

 続いて、戦後80年に触れ、現在も戦争や紛争により、世界で多くの人命が失われていることに「深い悲しみを覚えます」とつづられた。その上で、平和な世界を築くため「人々が違いを認め合い、共に手を携えて力を合わせていくことの大切さを感じます」と記された。

 そして、「新しい年が、希望を持って歩んでいくことのできる年となることを祈ります」と結ばれた。

 天皇、皇后両陛下は今年も各地を訪ねられる。慰霊などで訪れる沖縄、広島、長崎の3県以外にも、5月には全国植樹祭で埼玉県、9月には国民スポーツ大会で滋賀県、11月には全国豊かな海づくり大会で三重県をそれぞれ訪問される。

 1日は皇居・宮殿で「新年祝賀の儀」に臨み、皇族方や三権の長、外国大使らから祝賀を受けられる。

 2日の新年一般参賀では、両陛下と皇族方が午前10時10分、同11時、同11時50分、午後1時半、同2時20分頃の計5回、皇居・宮殿のベランダに立たれる。参賀者は、午前9時半から午後2時10分の間に皇居正門(二重橋)から参入する。

天皇陛下の感想全文

 天皇陛下の新年に当たっての感想は以下の通り。

 昨年は、年初の能登半島地震を始め、台風や豪雨などによる災害が各地で発生したほか、物価の上昇などもあり、多くの人にとって御苦労の多い年であったことと思います。困難を抱えている人々のことを案じると同時に、そのような人々のため、また、社会のために地道に活動に取り組んでいる人も多いことをうれしく思っています。今年も、人々がお互いを思いやり、支え合いながら、様々な困難を乗り越えていくことができるよう願っています。

 今年は、戦後80年の節目を迎えます。終戦以来、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられた一方で、現在も戦争や紛争により、世界各地で多くの人の命が失われていることに深い悲しみを覚えます。平和な世界を築いていくために、人々がお互いの違いを認め合い、共に手を携えて力を合わせていくことの大切さを感じます。

 新しい年が、我が国と世界の人々にとって、希望を持って歩んでいくことのできる年となることを祈ります。

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