冬季ミラノパラへ、今年すべきは「パリと同様の支援」…河合純一JPC委員長
読売新聞 / 2025年1月1日 16時54分
日本パラリンピック委員会(JPC)の河合純一委員長(49)が読売新聞の新春インタビューに応じ、2026年ミラノ・コルティナ冬季パラリンピックや今秋のデフリンピックへの期待、JPCが果たすべき役割などを語った。(聞き手・畔川吉永)
パリ 競技レベル向上
昨年のパリ・パラリンピックでは日本勢が躍進した。河合委員長は過去の大会と比べて競技レベルが上がっている点を指摘し、「パラアスリートの数や参加国が増えて、より競争原理が働いて、多くの競技に厚みが出ている。それがパラリンピックの魅力アップにつながっている」と述べた。
日本の金メダルは14個と、自身が選手団長を務めた21年東京パラを上回った。初優勝した男子ゴールボールなど新たな有力競技が増え、日本は世界の流れに乗り遅れていないと見る。
その上で、約1年後のミラノ・コルティナ大会に向け、「個々の選手の出場権獲得やメダルの可能性を高めるために、今年やるべきことはパリと同様の支援」と言い切る。冬季競技は「障害者にとっては、スキー場への交通手段を始め、夏季競技以上にハードルが高いのが悩みどころ」。ミラノ・コルティナ大会で日本勢が活躍することで、冬のパラスポーツへの関心が高まることを期待している。
20年の委員長就任後、「クラス分け」に関する情報収集や分析を行う「JPCクラス分け情報・研究拠点」を整備。有望選手を発掘する国の「ジャパン・ライジング・スター・プロジェクト」の積極的な活用や、異なる競技団体が連携する「クロストレーニング」などを推進してきた。こうした施策の成果を広く知らしめる舞台として、26年10月に愛知県を中心に開催されるアジアパラ競技大会に期待する。日本選手団の活躍を多くの人に見てもらうためにも、「パリでも活躍した選手の伸びしろに加え、新しい選手が欲しい。ベテランも含め、総力戦で戦えるような態勢にしたい」。
デフリンピック 全力支援
今年11月に日本で初開催されるデフリンピックについても「JPCにはデフの競技団体も加盟しており、しっかり支える。結果が注目されるだろうが、まずはデフアスリートの素晴らしいパフォーマンスを見てほしい」と訴えた。
◆デフリンピック=「デフ(deaf)」は英語で「耳が聞こえない」という意味。1924年にパリで初めて開催され、夏季・冬季大会がそれぞれ原則4年に1度、実施されている。日本初開催となる東京大会は11月15~26日、東京、福島、静岡の1都2県の17会場で21競技が行われる。70~80か国・地域から選手約3000人が参加する見込み。
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