育児しながら正社員への転職はムリですか? 転職の専門家が解説...柔軟な働き方ができる今、チャンスは多い
J-CASTニュース / 2024年12月31日 12時0分
育児しながら正社員への転職の実情は
このところ、「ワークライフバランスを見直す」という理由で転職を考える方が増えています。
育児や介護、趣味の活動など、プライベートの時間を大切にしながら働きたいというニーズが高まる中、企業側も柔軟な働き方の制度を取り入れています。
実際に、幼い子どもを育てながら契約社員から正社員への転職を実現した女性がいます。希望の働き方をかなえるための転職活動のポイントについて、リクルートエージェントでキャリアアドバイザーをつとめる松原大悟が解説します。
「無理だろう」とあきらめる必要はない
「ワークライフバランスを整えたい」という理由で転職エージェントに相談に来られる方のなかでも多いのは、「育児をしながら正社員で働き続けられるのか」「育児のため働ける時間に制約があるか、それでも転職ができるのか」という声です。具体的にはこんな希望が聞かれます。
「保育園へのお迎えのため、18時には最寄り駅に着きたい」
「子どもの発熱など、突発的な事態の際に休めたり早退したりできるといい」
「就業時間中に仕事を終えられないとき、自宅に持ち帰ってやりたい」
「朝7時に出勤できるので、その分、早く退勤したい」
そんな希望がかなう転職ができるのか、実現できる会社があるのかどうか、相談にいらっしゃるのです。
こうした声は、いまや男性からもよく聞かれます。共働き家庭が増えるなか、家事・育児を分担するために、また、子どもと過ごす時間を増やすために、働き方を変えることを望んで転職活動を始める男性も増えてきました。
相談に来られる方の多くは、自身の希望を語った後、「そんなの、やっぱり無理ですよね」とおっしゃいます。しかし、そんなことはありません。上に挙げたような働き方をかなえている方は多数います。
近年、労働人口が減少していることから、企業は人材採用に苦戦しています。そこで、求職者のニーズに応え今まで一律の条件では採用が難しかった方々にも活躍してもらうために、柔軟な働き方の制度や仕組みを整えている企業も少なくないのです。
コロナ禍が落ち着いて以降、リモートワークから出社に戻す企業もあるものの、事情がある場合にはリモートワークを認めたり、フレックスタイム制度を導入して勤務時間帯の自由度を高めたりする傾向が見られます。
つい先日も、ある企業から「先日紹介してもらった○○さん、ぜひ採用したいので、要望通り朝7時30分に出勤し、17時に退勤する勤務形態でかまいません」という連絡を受けました。
それだけ企業側も、採用したい人材が働きやすいよう、臨機応変に対応するようになっているのです。
小学校低学年の子どもを育てながら転職 年収1.5倍アップに成功
実際の転職事例を紹介しましょう。
Aさん(30代)は、小学校低学年を子どもを育てているシングルマザー。これまで、契約社員や派遣社員として事務のお仕事をしてきましたが、正社員を目指し、転職相談にいらっしゃいました。
「将来を考え、専門スキルを身に付けてキャリアアップを目指したい」「収入を上げ、子どもを大学まで進学させたい」という思いから、転職を決断したのです。
しかし、「子どものために17時30分には帰りたい」という条件が、転職活動のハードルとなっていました。
そこで、Aさんの強みをしっかりアピールできるよう、キャリアアドバイザーと一緒に、これまで仕事で頑張ってきたこと、身に付けたスキルを「棚卸し」して面接でアピール。その結果、IT企業に営業職として採用され、年収1.5倍アップを実現しました。
Aさんが評価されたポイントは、「効率的に仕事をする工夫をしてきたこと」や「コミュニケーション力」。また、お子さんが寝た後に資格の勉強をしていたというエピソードから感じられる「向上心」です。
Aさんはそうした強みを面接で伝えるため、しっかりと事前準備をされました。志望動機や転職理由などについても整理・言語化し、通勤途中などにも歩きながら小声で口に出して受け答えの練習をしたそうです。
そして「企業研究」をしっかりしていたことも、採用の決め手の一つとなりました。Aさんは企業ホームページを隅々まで読み込み、業界の知識も勉強していたのです。
選考ではほかに、勤務時間に制約がない20代の応募者も候補に挙がっていたそうですが、「Aさんの方が自社のことをしっかり研究し、理解してくれている」と意欲を評価され、選ばれました。
面接終了後、すぐ御礼状を作成・送付するなど、志望度の高さをしっかりと伝えていた点も好印象につながったようです。
結果、Aさんは退勤時間の希望を受け入れられ、さらには「リモートワークOK」「残業なし」という働き方を手に入れました。
Aさんが採用に至るまでは、多くの応募先企業で書類選考で見送られており、転職活動は決してスムーズなものではありませんでした。
しかし、粘り強くキャリアアドバイザーと一緒に経験・スキルの棚卸し、自己分析、企業研究をし、自己学習など、準備を重ねたことで希望を実現できたのです。
次回は、ワークライフバランスを重視した働き方を目指す人が転職活動を成功させるためのポイント、育休からの復職直前で転職活動を行い、成功した女性の事例を紹介したいと思います。
【プロフィール】
キャリアアドバイザー 松原大悟
地方公務員として児童福祉業務にて経験を積み、2023年にリクルートに入社。キャリアアドバイザーとして、さまざまな業界・職種の求職者の転職を支援。求職者の方にとって納得感のある転職活動ができるよう支援をすることにこだわりを持つ。
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