エマニュエル駐日大使、日米同盟の深化は「終わりのないマラソン」…トランプ氏就任控え多国間連携は「過渡期」
読売新聞 / 2025年1月2日 5時0分
米国での政権交代に伴い、1月に退任するラーム・エマニュエル駐日大使が読売新聞の単独インタビューに応じた。日米同盟の強化を通じ、「我々の抑止力は向上し、(有事への)備えが進んだ」と3年間の任期を振り返った。同盟の深化を「終わりのないマラソンだ」と表現し、厳しさが増す安全保障環境を踏まえ、たえず前進させていく必要があると訴えた。
エマニュエル氏は昨年12月27日の大使公邸でのインタビューで、「日米同盟がもたらす抑止力の信頼性こそが重要だ」と強調した。米バイデン政権は、日米と韓国、日米とフィリピンといった多国間枠組みを「格子状」に構築する戦略を進めたが、日米同盟への信頼があったからこそ推進できたと指摘。その上で、「常時好戦的な姿勢で孤立したのは中国だ」と言及した。
一方、多国間連携に否定的なトランプ次期大統領の就任も見据え、「我々は今、過渡期にある」と述べた。ただ、日米韓や日米比の共同演習や情報共有など、現場レベルでの安保協力は続くとし、「(多国間連携を巡る)戦略が消えるわけではない」との見方を示した。
また、日本がインド太平洋地域各国から政治、外交の両面で多大な支持を得ているとし、「それが日米同盟にどれほど貢献しているか、米国はもっと評価するべきだろう」とも語った。
Rahm Emanuel 米シカゴ生まれ。クリントン大統領の上級顧問、下院民主党議員会長、オバマ政権の大統領首席補佐官、シカゴ市長を経て、2022年1月から現職。65歳。
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