中央大ハイペースで独走も「3強」は慌てず…早大ОB武井隆次さんが解説
読売新聞 / 2025年1月2日 8時39分
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)は2日、往路のレースが午前8時にスタートした。国学院大、青山学院大、駒沢大の「3強」の前評判が高い中、出場21チームが2日間、217・1キロの箱根路を駆け抜ける。読売新聞オンラインでは、早稲田大学時代に4年連続区間賞を獲得し、総合優勝も経験した箱根路のレジェンド、武井隆次さん(53)のライブ解説でレースを詳報する。(デジタル編集部)
吉居駿恭がスタート直後に飛び出す
最近の1区はスローペースの年とハイペースの年が交互に来ている。今年は当日のメンバー変更で入った中央大の吉居
「昨年のメンバーならともかく、今年の中央大は10区間の最後までこの勢いは続かないだろう」という読みがある。目標はあくまで総合優勝なのだ。ライバル校同士の争いで差がつかなければ良い。2区にはエースがどんと控えている。1区のランナーは残り9人のチームメートの運命も背負っているから勝手な走りもできない。
「貧乏くじを引きたくない」…ランナーの心理
98回大会で駿恭の兄、吉居大和(中大)が現在の1区の区間新記録を作った時には5~6キロあたりで独走態勢になり、2位と40秒の差をつけるなど後続を離して2区にたすきを渡した。トップと10位通過校の差は1分23秒だった。
前回100回大会も1区はハイペースとなったが、鶴見中継所ではトップと10位通過の差が36秒で、後続との差がそこまでは出なかった。それだけ各校のランナーのレベルが上がってきている。ただ、結果的に競り合いで差がつかなかったとしたら……監督としてはここで切り札を使いたくないという気持ちも働く。1区の区間配置には迷うところだ。
中央大が鶴見中継所まで全体を引っ張っていくだろう。後続集団としてはどの地点で差を詰めていくか。しかし、できれば誰かに先に行ってもらいたい。自分が先に動いて貧乏くじを引きたくない、というのがランナーの心理だ。
たけい・りゅうじ 1971年生まれ。東京・国学院久我山高で高校初の5000メートル13分台をマーク。早大時代は箱根駅伝で4年連続区間賞(1区、1区、7区、4区)、うち3度が区間新記録で、同期の花田勝彦、櫛部静二と並び「三羽がらす」と呼ばれた。卒業後はエスビー食品で2002年びわ湖毎日マラソンを2時間8分35秒で優勝。02年アジア大会男子マラソン銅メダル。引退後はエスビー食品のコーチ、監督を歴任。現在は「したまちアスリートクラブ」の監督として小、中学生を中心とした後進ランナーの指導にあたっている。
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