5区で逆転、青山学院大は誰が出てきても20キロを走れるチーム…早大ОB武井隆次さんが解説
読売新聞 / 2025年1月2日 15時14分
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)は2日、往路が行われ、総合連覇を狙う青山学院大が5時間20分1秒で、2年連続7度目の往路優勝を果たした。読売新聞オンラインでは、早稲田大学時代に4年連続区間賞を獲得し、総合優勝も経験した箱根路のレジェンド、武井隆次さん(53)のライブ解説でレースを詳報する。(デジタル編集部)
中央大、粘って大健闘
4区まで独走していた中央大は、5区であっさりと青山学院大にトップを明け渡した。園木大斗(4年)は山登りに入って苦しそうな走りになったが、小田原中継所でたすきを受けた序盤にはハイペースで飛ばしていた。監督からレースプランについて何か指示はなかったのだろうか。
ただ、4区までの貯金をもらっていた園木は、それ以上の後続に逆転されることなく2位をキープした。区間新記録の青山学院大、若林宏樹(4年)を追って1分47秒差でのゴールは大健闘だ。
青山学院大はいつものごとくというか、スロースタート(1区10位)だったが、2区以降、走るべき人がしっかり仕事をした。誰が出てきても20キロを走れるチームで、距離が伸びると良くなる選手が多い。20キロの長丁場を状況に応じてどう走るかということに関して、個々の選手の理解力が高い。
逆転を狙う駒大は佐藤圭太の起用に注目
往路の結果を見れば、青山学院大の復路は安泰と言えそうだ。優勝争いを引っ張りそうな「3強」と前評判の高かった国学院大、駒沢大が3分以内ぐらいの差で終わっていれば、まだまだ希望が持てるところだが、それ以外の学校にとっては青山学院大との選手層を比較すれば厳しい差だと言わざるを得ない。
国学院大と駒沢大は2区で平林清澄(4年)と篠原倖太朗(4年)が前半こそ、集団の中で周囲の選手をうまく使って走っていたが、後半の難所の坂で、勢いに変えることができなかった。2人の競り合いを予想していたのだが予想外の結果となった。他校のエースがハイレベルの争いを演じ、区間新記録の1時間5分台が3人。5分台を出しても区間賞をもらえないとは厳しい。
今季ここまで絶好調だった国学院大は青山学院大と5分以上の差がつき、駅伝3冠に向けて「黄信号」がともった。駒沢大については、5区で期待された山川拓馬(3年)も本来の調子ではなかった。青山学院大とは3分強の差だが、故障で出雲と全日本を欠場した佐藤圭汰(3年)の起用が注目だ。当日変更で7区投入か、もしくは出ないか、どちらかだろう。
3位の早稲田大は3区の1年生が好走でつなぎ、5区山登りで区間2位と頑張ったが、2区のエース、山口智規(3年)の区間12位が惜しまれた。復路での上位キープのカギは、伝統的に選手がいないと言われている復路の6区山下りをどう乗り切るかだろう。
シード圏内を見れば、予選会トップの立教大が山登りで順位を上げて8位、当日になって複数の主力選手が変更される“アクシデント”にも関わらず、ひとけた順位の9位で終えた東洋大の健闘が目立った。
たけい・りゅうじ 1971年生まれ。東京・国学院久我山高で高校初の5000メートル13分台をマーク。早大時代は箱根駅伝で4年連続区間賞(1区、1区、7区、4区)、うち3度が区間新記録で、同期の花田勝彦、櫛部静二と並び「三羽がらす」と呼ばれた。卒業後はエスビー食品で2002年びわ湖毎日マラソンを2時間8分35秒で優勝。02年アジア大会男子マラソン銅メダル。引退後はエスビー食品のコーチ、監督を歴任。現在は「したまちアスリートクラブ」の監督として小、中学生を中心とした後進ランナーの指導にあたっている。
この記事に関連するニュース
-
「ピクニックラン」阻止し意地見せた駒大、山やエース区間で青学大に及ばず…早大ОB武井隆次さんが解説
読売新聞 / 2025年1月3日 15時12分
-
3冠狙う国学院大は往路6位、早大が3位…駒沢大は4位
読売新聞 / 2025年1月2日 13時30分
-
5区は初出走の中央大・園木の走りに注目、実力者から逃げ切れるか…早大ОB武井隆次さんが解説
読売新聞 / 2025年1月2日 12時38分
-
2区は3人が区間記録更新、平林や篠原が目立たないほどのハイレベルな戦い…早大ОB武井隆次さんが解説
読売新聞 / 2025年1月2日 10時38分
-
中央大ハイペースで独走も「3強」は慌てず…早大ОB武井隆次さんが解説
読売新聞 / 2025年1月2日 8時39分
ランキング
-
1松山英樹の優勝直後に米生放送で“事故” 放送禁止用語に司会「失言あった」「聴取受けるだろう」
THE ANSWER / 2025年1月6日 13時33分
-
2高梨沙羅がスキー板の長さ違反で失格に 22年北京五輪ではスーツ違反で悪夢 ジャンプW杯女子個人第9戦
スポニチアネックス / 2025年1月7日 0時47分
-
3楽天・石井一久GM復帰発表でさっそく大炎上!《呆れる》《愛想が尽きる》《誰も望んでない》と非難轟々
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月6日 17時55分
-
4J1で昨季10ゴール…21歳FWが海外移籍へ ファン衝撃のチーム離脱「早すぎる」「世界ではばたけ」
FOOTBALL ZONE / 2025年1月6日 18時54分
-
5松山英樹Vの裏で…痛恨の勘違いで5200万円逸 誤球で2打罰、米メディア指摘「大きな代償払った」
THE ANSWER / 2025年1月6日 21時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください