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朝市通りに追悼の人々…生き延びるだけで精いっぱいの一年・戻ってこないチューリップ好きな友人

読売新聞 / 2025年1月1日 13時48分

能登半島地震から1年、亡くなった親族の自宅跡で冥福を祈る女性(1日午前6時59分、石川県輪島市で)=関口寛人撮影

 1年前の能登半島地震による大規模火災で一帯が焼失した石川県輪島市河井町の朝市通り周辺では1日、亡くなった親族や知人を悼む人々が訪れ、花を手向けていた。

 建物の解体が進んで更地が広がり、静けさに包まれるなか、夫のいとこを亡くした女性(64)は「生き延びるだけで精いっぱいの1年だった。全て失ってしまったが、何世代も引き継いできたこの場所がどう変わっていくか見ていかないといけない」と話し、静かに手を合わせた。

 年下の友人を亡くした女性(68)は、友人の好きだった赤いチューリップの入った花束を供えた。スーパーで「またね」と別れたのが最後だったといい、「ママと呼んで仲良くしてくれ、年末にはいつもころ柿をくれた。町は公費解体が進んでいくけど、亡くなった人は戻ってこない」と涙をこぼした。

 朝市通り近くに住む漆塗職人の男性(79)は40年来の知人を亡くした。知人宅前に花を供え、「大変な1年だった。仕事場も地震で壊れ、生きている間に再建できるか不安だ」と話した。

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