「ポテンシャルが違う」駒大・佐藤圭汰、見事な単独走…早大ОB武井隆次さんが解説
読売新聞 / 2025年1月3日 10時21分
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)は3日、復路が行われている。7区では駒沢大・佐藤圭汰(3年)が1時間43秒の区間新を出した。読売新聞オンラインでは、早稲田大学時代に4年連続区間賞を獲得し、総合優勝も経験した箱根路のレジェンド、武井隆次さん(53)のライブ解説でレースを詳報する。(デジタル編集部)
佐藤圭汰はポテンシャルが違う
7区に登場した駒沢大の佐藤圭汰(3年)は恥骨の故障から復帰してのレース。小田原中継所で4分以上あった青山学院大との差を1分40秒まで縮める区間新記録だ。6区の下り坂で差を広げられていなければ……というのは結果論だが。
序盤は高校の後輩でもある中央大・岡田開成(1年)との並走が続き、あまり前に出ていないような印象があったが、岡田を振り切ってからの単独走は見事。昨年は3区で青山学院大の太田蒼生との激闘を繰り広げているし、さすがにポテンシャルが違うなという印象だ。
前回のレースからはかなり遠ざかっていた。トラックなら周囲に他の選手もいるが、ロードで単独走となれば、試合感覚が重要になる。もともと力のあるランナーとはいえ、試合感覚が戻っていない中でのレースには大きな不安もあったはずだ。
ちなみに、恥骨の故障というのは、私が現役時代にはそれほどポピュラーな故障ではなかった。カーボンプレート入りのシューズが登場し、反発力で前への大きな推進力が得られるようになったことで歩幅が強制的に広げられている。そうしたことも影響しているのではないか。昔は自分で蹴って前に進んでいたので、アキレス腱の故障が多かったように思う。
たけい・りゅうじ 1971年生まれ。東京・国学院久我山高で高校初の5000メートル13分台をマーク。早大時代は箱根駅伝で4年連続区間賞(1区、1区、7区、4区)、うち3度が区間新記録で、同期の花田勝彦、櫛部静二と並び「三羽がらす」と呼ばれた。卒業後はエスビー食品で2002年びわ湖毎日マラソンを2時間8分35秒で優勝。02年アジア大会男子マラソン銅メダル。引退後はエスビー食品のコーチ、監督を歴任。現在は「したまちアスリートクラブ」の監督として小、中学生を中心とした後進ランナーの指導にあたっている。
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