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「ピクニックラン」阻止し意地見せた駒大、山やエース区間で青学大に及ばず…早大ОB武井隆次さんが解説

読売新聞 / 2025年1月3日 15時12分

武井隆次さん

 第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)は3日、復路が行われ、往路を制した青学大が盤石の走りで2年連続8度目の総合優勝を果たした。読売新聞オンラインでは、早稲田大学時代に4年連続区間賞を獲得し、総合優勝も経験した箱根路のレジェンド、武井隆次さん(53)が大会を振り返った。(デジタル編集部)

昨年の経験を生かした青学大

 連覇した青山学院大は、昨年活躍した優勝メンバーが残り、その経験を1年後の今年のレースに生かした。1区、3区、7区など所々に危うさもあったが、それを目立たせなかった。誰が出てきても20キロの長丁場を走れるチームで、距離が伸びると良くなる選手が多い。ハーフマラソンに匹敵する距離を、その場の状況に応じてどう走るかということに関して、個々の選手の理解力が高く、それがチームの最大の強みだ。

駒沢大は青学大の「ピクニックラン」を阻止

 駒沢大は往路4位から復路優勝で盛り返した。10区間を通して二けた順位がなく、安定度で言えば、こちらが上かもしれない。7区に当日変更で入った佐藤圭汰(3年)が快走して青山学院大がもくろんだ復路の「ピクニックラン」を阻止し、意地を見せたが、山やエース区間など、ポイントをしっかりと押さえた青山学院大との差が出た。

国学院大は駅伝三冠ならず…箱根は別物

 「駅伝三冠」と箱根初優勝を狙った国学院大は、三冠へのカギとされた5区山登りが区間14位のブレーキとなり、6区を予定していた選手も大会前に故障する不運もあった。青山学院大、駒沢大が自信を持つ山区間をいかに乗り切るか、その不安が現実になってしまった。2区8位のエース、平林清澄(4年)も決して失敗の走りではないが、エースが額面通り働けないとチームはのっていけない。出雲、全日本を制して勢いを持って臨んだが、箱根はやっぱり別物ということだろう。

早稲田大は1、2年生に良い選手

 4位の早稲田大は2区のエース区間が二けた順位と振るわなかったが、1、2年生に良い選手がおり、これからが楽しみだ。往路で輝いた中央大は力を示したが、終わってみれば、予選会に続いてメンバーの好不調のばらつきが出た。6位城西大は2区で留学生が10位。卒業した山登りのスペシャリストの穴埋めとして、過去2年連続2区の斎藤将也(3年)を5区に入れたギャンブルに失敗した。

シード権争いに見ごたえ

 シード権争いの4校の最後の競り合いも見ごたえがあった。東洋大は8区の走者が途中で非常に苦しそうな表情を見せていたが、そこから脱落せずに最後まで踏ん張った。往路ではエースが故障で欠場になるなど、2区19位からのシード権獲得。すごい精神力だと思う。

 最後にひとつ、感じたこと。大手町のゴールでアンカーを迎えた駒沢大、国学院大の選手たちがみんな笑顔だった。本心から笑っていたのではないのかもしれないが、「負けて笑顔なのか」と思った。悔しさを忘れたら追いつくことはできない。私の現役時代、第69回大会で総合優勝した翌年の大会で2位になり、チームは号泣した。時代が違うと言えばそれまでだが。

たけい・りゅうじ 1971年生まれ。東京・国学院久我山高で高校初の5000メートル13分台をマーク。早大時代は箱根駅伝で4年連続区間賞(1区、1区、7区、4区)、うち3度が区間新記録で、同期の花田勝彦、櫛部静二と並び「三羽がらす」と呼ばれた。卒業後はエスビー食品で2002年びわ湖毎日マラソンを2時間8分35秒で優勝。02年アジア大会男子マラソン銅メダル。引退後はエスビー食品のコーチ、監督を歴任。現在は「したまちアスリートクラブ」の監督として小、中学生を中心とした後進ランナーの指導にあたっている。

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