サイバートラック自爆テロ容疑者は陸軍特殊部隊所属か…「愛国者でトランプ氏支持」と親族が明かす

　【ロサンゼルス＝後藤香代、ワシントン＝淵上隆悠】米ニューオーリンズとラスベガスで１日に発生したテロ事件について、米連邦捜査局（ＦＢＩ）はいずれの事件も単独犯とみて捜査している。両事件の容疑者には従軍歴などの共通点が多く、関連を慎重に調べている。

　ＦＢＩテロ対策局の幹部は２日、二つの事件について「あらゆる可能性を追っているが、決定的な関連性は見いだされていない」と明らかにした。

　ラスベガス市警は、トランプ次期米大統領が所有するホテル前で爆発した車から見つかった遺体は、米陸軍特殊部隊に所属するマシュー・リベルスバーガー容疑者（３７）の可能性が高いとみている。リベルスバーガー容疑者は精鋭部隊の一員としてドイツに派遣されており、休暇を取得してコロラド州に滞在していた。

　米ＡＢＣニュースの取材に応じたリベルスバーガー容疑者の親族は容疑者について、「愛国者だった。トランプ氏を支持し、『トランプ氏は兵士の味方だ』と語っていた」と明かした。　ＡＰ通信はリベルスバーガー容疑者が犯行に使われた電気自動車（ＥＶ）大手テスラの「サイバートラック」を昨年１２月下旬に借りる前、妻と口論したとの情報があると伝えた。ただ、犯行声明などは発見されていない。

　テスラの最高経営責任者（ＣＥＯ）は、昨年の大統領選でトランプ氏の陣営に多額の献金を行ったイーロン・マスク氏。市警幹部は２日、「テスラ車が使われたことが、特定のイデオロギーによるものだという明確な情報はない」と説明した。

　ニューオーリンズの事件で警官に射殺されたシャムスディン・ジャバール容疑者（４２）は退役軍人だった。ラスベガス市警の調べでは、両容疑者はいずれもノースカロライナ州の同じ基地で勤務した経験があり、２００９年にアフガニスタンに駐留した共通点がある。ただ、同時期に同じ勤務地にいた記録は見当たらないという。

　バイデン大統領は２日の演説で、「事件の関連性を引き続き捜査する」と強調した。