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東大の工学部3年生から大学院4年生にたすきつなぐ「赤門リレー」…教授から給水も

読売新聞 / 2025年1月3日 20時40分

戸塚中継所でたすきをつなぐ関東学生連合の秋吉拓真選手(左)と古川大晃選手(3日)=鈴木竜三撮影

 3日に行われた第101回箱根駅伝の復路で、「赤門リレー」が実現した。予選会敗退校の選手で編成された関東学生連合チームで、8区の秋吉拓真選手(東京大3年)が区間7位相当の力走を見せ、9区の古川大晃ひろあき選手(東京大大学院博士課程4年)にたすきをつないだ。文武両道を究める2人が、成績は参考記録となるオープン参加ながら、沿道の駅伝ファンを沸かせた。

 秋吉選手は昨年9月の日本学生対校選手権5000メートルで5位などの実績を持つスピードランナー。2019年の第95回箱根駅伝で、やはり学生連合から出場した東大OB近藤秀一コーチの指導を受け、古川選手と練習で競り合うことで実力を伸ばしてきた。秋吉選手は「お世話になってきた先輩だったので、しっかりたすきを渡すことができてよかった」と笑顔。工学部の勉強も「けっこう難しいので、精いっぱい食らいついている」というが、「この経験を生かして、もっと上のレベルを目指していきたい」と、競技でのさらなる成長を見据えた。

 古川選手は熊本大、九州大大学院を経て東大大学院で、走りを科学的に研究している。今春から京都工芸繊維大で博士研究員となる予定で、自身3度目のメンバー入りで最後のチャンスだった。15キロ付近で、運動生理学の権威として知られる八田秀雄教授から給水で伴走してもらうなど周囲に支えられ、高校時代に一度は諦めた箱根駅伝出場の夢を、みそじ目前の29歳にしてかなえた。

 「秋吉が本当にいい位置でたすきを運んできてくれて、その勢いで『俺も行ってやろう』と、影響をもらいすぎてしまった」。やや速いペースで走り始めた結果、終盤に失速してしまったという。区間18位相当のタイムに終わり、「箱根の魔物にやられてしまった」と悔しそうな表情を浮かべた。「ランナーとして真摯しんしに陸上競技に向き合って感性を磨いてきたので、その感性を持っていい研究ができれば」。この経験も生かし、研究者として大成することを誓った。

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