フランス軍がサハラ砂漠以南のアフリカから相次ぎ撤退…ロシアは軍事政権への協力で影響力強める
読売新聞 / 2025年1月3日 20時51分
【ヨハネスブルク=笹子美奈子】コートジボワールのアラサン・ワタラ大統領は昨年12月31日、同国に駐留するフランス軍が撤退すると発表した。セネガルとチャドからの仏軍撤退も表明されており、2022年以降にサハラ砂漠以南のアフリカの少なくとも7か国から仏軍が撤退する。
コートジボワールには仏軍約600人が駐留しているが、今月中に撤退する。サハラ砂漠以南のアフリカではボコ・ハラムやアル・カーイダなどのイスラム過激派の活動が活発で、仏軍は対過激派掃討作戦を主な目的として、米軍をしのぐ1万人規模で旧植民地を中心に展開していた。だが、地方では過激派の襲撃が収まらず、仏軍への不満が高まっている。
一方、ロシアは好機と捉え、反仏感情が高まるアフリカ諸国に接近した。ウクライナ侵略後、制裁で禁輸品が増えるロシアは輸入先の再構築を図っており、鉱物資源を見返りに軍事協力を申し出ている。アフリカ側も自国軍の養成が喫緊の課題で、ロシアに期待を寄せる。軍事政権で特にロシア傾斜が強まり、ニジェールで23年9月に起きた仏軍撤退を求める大規模な抗議デモでは、ロシア旗がはためいた。
仏軍の主な駐留先は、ジブチとガボンの2か国に約2000人となる。軍事政権のマリから23年に国連平和維持活動(PKO)部隊、ニジェールからは昨年に約1000人の米軍駐留部隊も撤退し、治安のさらなる悪化が懸念されている。
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