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パナソニック、4Qに3TDで逆転…ライスボウルで9年ぶりの王座奪還

読売新聞 / 2025年1月3日 22時56分

第4クオーター、パナソニックのQB荒木(左)が自らボールを持って突進、タッチダウンを決める(3日)=佐藤俊和撮影

 アメリカンフットボール・日本選手権第78回ライスボウル(3日・東京ドーム=読売新聞社後援)――パナソニックが34―27で富士通を破り、学生との対戦だった2016年以来、9年ぶり5度目のライスボウル制覇を果たした。日本社会人Xリーグの王座決定戦になってからは初の日本一。富士通は4連覇を逃した。パナソニックは第4クオーターにQB荒木のTDランなどで追いつき、RBミッチェルが勝ち越しのTDラン。さらにインターセプトリターンTDを奪い、富士通を振り切った。最優秀選手(MVP)には、パナソニックの荒木が選ばれた。

 「第4クオーターで勝ちきる」。今季、パナソニックが目指してきた通りの展開が待っていた。最終クオーターに入り、7点ビハインド。RB立川が得意の中央突破で大きく前進すると、QB荒木が「1ヤードでも前に」と気迫のランでTDを奪った。

 過去3年連続ではね返された富士通の壁。いずれも僅差だったが、勝負所の第4クオーターで手詰まりとなり、得点できなかったことが勝敗を分けた。雪辱を期す今季、「コーチ任せではなく、選手からも意見を出した」(荒木)と一つ一つのプレーの精度を高めてきた。

 勝ち越し点も、選手が提案したとっておきのトリックプレーから生まれた。立川からトスを受け取った荒木が、右サイドにいたRB藤本へパス。目まぐるしく球が動く中、オフェンスラインが藤本を守るように壁を作り、藤本が一気に相手陣深くへ。この好機に、RBミッチェルがTDランを決めた。

 最後は守備陣が第4クオーターだけでチーム3本目のTDとなるインターセプトリターンTDを挙げた。「4度目の正直」で果たした王座奪還。再三、捨て身のランを見せた荒木らがむせび泣く中、主将のLB青根は「この光景を見たかった」と誇らしげに胸を張った。(平野和彦)

富士通、4連覇逃す

 同点の第3クオーター終盤。富士通の守備陣が相手QBに襲いかかった。LB山岸がファンブルを誘発し、味方がカバー。敵陣で攻撃権を奪い、TDにつなげた。チームとして取り組んできた積極的な守備は随所に見られた。その一方で、踏ん張りどころでの反則や、タックルなどにミスが出た。

 「形的には止めていても、スコアにつなげられた」と山本ヘッドコーチ(HC)。相手RBを倒しきれず、ロングゲインを許すなど流れをつかみきれなかった。QB高木ら頼みの攻撃陣も、終盤に猛追したが及ばなかった。

 2度目の4連覇と単独最多となる9度目の優勝がかかった試合に敗れ、ライスボウルで初黒星。山本HCは「勝つことは当たり前ではないと、結果が示した」と話し、主将のOL大久保は「ただただ悔しい」と言葉を絞り出した。正月に味わった敗戦。来季にどう生かすか、新たな戦いが始まる。(下村征太郎)

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