35歳超えた高齢夜職女子の深刻な貧困問題「気づくのが遅すぎた」夜から抜けられないジレンマ
J-CASTニュース / 2025年1月3日 17時0分
高齢夜職女子の深刻な貧困問題に迫る
夜職は「20代までの期間限定である商売」ととらえる人々は多い。実際に業界の扉を叩く女性たちも仕事を始めたての頃は、ほぼ全員が同じような考えを持つ。
高収入をキープできるのはほんの一部だけ
働くキャストの卒業年齢は20代後半から30代前半が一般的なものの、30代半ばを超えても現役を続ける人も存在する。今は世の中の夜職に対する偏見が薄まり、SNS集客など仕事の仕方も変わったことから「平均寿命」が伸びたからだ。
ただし、高収入をキープできるのはほんの一部だけで、30代後半以降であるキャストの半分程度は貧困にあえいでいるのが現実だ。年齢が上がるほど収入が減り、仕事も変えるタイミングさえ失う「八方塞がり状態」に陥る人々が増えたという。
そもそも、35歳を超えると、夜の世界では働ける店が激減する。悲しいかな自分を売り物にする商売では年齢と容姿のジャッジが厳しく、ベテランは持ち客がいなければ採用にまでも至らない。夜職といえど、継続するなら昼職のように「キャリアの積み重ね」が重要視されるため、相当な努力をしなければ高収入をキープするのは難しい。
歳を取るほど持ち客がいて当たり前で、経験があるのに客ゼロだと「今まで何をしてきたのか」という目で見られてしまうほどだ。
年齢が進んでから収入に困る人々は、若い頃からその日暮らしのようなスタンスで働いているケースが多い。
30代後半でも昼職への復帰や方向転換はできるのか
まず前提として「一生夜の世界にいる」と固く誓って、業界デビューをするタイプなどほぼいない。そのため、みんな最初はバイト感覚で仕事を始める。すぐに卒業するつもりでいれば、100%の力を出して働こうなど思わない。若いだけである程度は稼げてしまい、徐々に金銭感覚がおかしくなっていく。
夜職は、30代前半までならどうにかなってしまうのが怖いところ。適当に稼げるとズルズルと仕事を続け、考えを先延ばしにし、収入に困ったところでようやく危ない現実に気づく。その頃にはすっかり自由な生活に慣れ、後戻りが出来なくなってしまう......というのが、よくあるオチだ。
30代後半でも昼職への復帰や、方向転換は十分に可能なのだが、長年夜の世界に身を置いていると次のステージに進む勇気が出なくなる。「今さら普通の仕事なんてできやしない」と決めつけてしまえば、その日暮らしの働き方からは抜け出せない。
いろいろなマイナス要素が合わさって稼げなくなった夜職ミドル世代は生活に苦しみ、店を転々と変えたり、出勤をしても満足の行く稼ぎが得られないという負のループに陥る。
自分自身に危機感を持たないと
夜職は悪い仕事ではないが、本腰を入れずとも働けて、一定の期間はそれなりのお給料をもらえてしまうから恐ろしい。
卒業のタイミングを失いやすいのも、簡単に手を染めるべき商売ではない理由の1つだと筆者の私は考える。現代では「憧れ」の感情だけで業界入りする若者が増えているため、昨今の夜職ブームは将来の貧困層を増やす原因にもなり得ると思うと、水商売が持ち上げられるのはいかがなものなのか。
すっかり稼げなくなった夜職ミドル世代を救うのは、ハッキリ言ってしまうと難しい。本人たちも心のどこかはもう諦めていて、お金がない現状に慣れてしまっている。
今は夜の世界で悩む女性のための支援団体や、夜職限定の転職エージェントも登場したけれど、適当に暮らすことが普通になった本人たちの意識改革がないと、いくら支援したところで無駄になる可能性が高いだろう。
年齢と共に収入が下がり続けるのならどこかで見切りをつけるか、心を入れ替えて本気で働くしか術がない。貧困に喘ぐミドル世代はもっと自分自身に危機感を持たねば、事態はさらなる悪化を招く。
高収入なぶん、リスクが高い夜職。簡単に稼げず、生き残るのはごく一部の人間だけと考えれば憧れるのは至って危険。今からこの仕事に挑戦する若者は、人生に行き詰まる人々がいることを踏まえた上でよく考えてほしいと老婆心ながら思ってしまうのだ。
【プロフィール】
たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。
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