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ドクターヘリの災害時運航、対策本部に一元化…能登半島地震での混乱受け運用指針改定へ

読売新聞 / 2025年1月5日 5時0分

厚生労働省

 医師が治療しながら負傷者を搬送できるドクターヘリを大規模災害時に有効活用するため、厚生労働省が運用指針を年度内にも改定する。昨年の能登半島地震では孤立集落から患者を搬送した一方、離着陸場所が決まらず時間がかかった。同省は都道府県の災害対策本部が運航調整を一括して担い、病院側が救急搬送に集中できる体制を目指す。

 厚労省などによると、東日本大震災時に全国で26機あったドクターヘリは現在57機。熊本地震後の2016年12月に運用指針が策定され、能登半島地震では8機が出動、計84人を搬送して大きな役割を担った。

 しかし、認定NPO法人救急ヘリ病院ネットワーク(ヘムネット)によると、能登半島地震の発生直後、各地から応援に来たドクターヘリの離着陸場所の確保が難航した。消防や自衛隊などとの情報共有が十分でなく、複数のヘリが同じ現場に向かう混乱があった。石川県の災害対策本部とヘリを指揮した被災地の病院の双方に患者情報の連絡や問い合わせが相次ぎ、情報が錯綜さくそうしたことも要因とみられる。

 改定では災害対策本部側と病院側の役割分担を明確にする。ヘリの離着陸場所や、どの機関のヘリが現場に向かうかについて、災害対策本部側が情報のやりとりを一手に引き受け、調整していく考えだ。同本部側から調整結果の連絡を受けた病院側は、患者の具体的情報や被災地の状況の共有に集中できる。

 また都道府県に対し、ヘリ運用に向けた訓練の実施を求める。関係機関と調整して離着陸場所や給油先などを具体的に設け、訓練することで実効性を高める。

 災害時のドクターヘリ運用を研究している鳥取大の本間正人教授(災害医療)は「大都市の災害でも交通まひが生じ、搬送に時間を要する。ヘリを生かせる体制はどの都道府県でも求められる」と指摘する。

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