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森保監督の「親子論」、息子3人はサッカー系ユーチューバー…選手へと同様「こうしろ」とは言わない

読売新聞 / 2025年1月5日 16時1分

 サッカー日本代表の森保一監督(56)が、サッカー系ユーチューバーの長男翔平さん(33)、次男圭悟さん(31)、三男陸さん(24)と「親子論」を語り合った。広島の下部組織から強豪大学などでのプレーを経て、今はSNSの世界で活躍する3人の息子を、父としてどう後押ししてきたのか。その一端を明かした。(聞き手・星聡)

「周りに感謝を」お陰で今

登録30万人

<家族はグループLINEで連絡を取っている>

 圭悟さん「動画を更新したら母さんから連絡は来るけど、父さんからはない」

 森保監督「妻が教えてくれて、一緒に見ている。子と孫と犬は夫婦を結びつけてくれている(笑)」

<圭悟さんが友人2人とユーチューバーグループ「LISEM」を結成し、翔平さん、陸さんが加入した。プロ顔負けのプレー動画が人気を集め、登録者は30万人を超える>

 圭悟さん「ガチ(本気)でサッカー動画を作っている人はいないから、チャンスかなと。やりたいことをやらない方がリスクだと思った」

 森保監督「自分で道を切り開いているのはすごいと思う。一方で自分がリスキーな契約社会で生きているので、『福利厚生がある会社に入れ、安定を選べ』と言ってきたから、複雑は複雑」

 陸さん「就活(就職活動)中、父さんは『商社がいい』と薦めてきた(笑)。でも周りに会社で仕事を生きがいにしている人があまりいなくて、それなら楽しそうにやっている兄貴たちの輪に入ろうと思った」

 圭悟さん「父さんが一番、あしたが分からない世界に生きている」

 森保監督「先の約束をするのが苦手で。試合の先の予定を聞かれても、どうなっているか分からない」

プロ目標に

<兄弟3人とも広島の下部組織でプロを目指した>

 翔平さん「小さい頃、広島の練習場で選手たちとよく遊んでいた。サッカーを始めたのは自然な流れ」

 森保監督「野球道具とサッカーボールを家に置いていた。広島カープの野村謙二郎さんと、互いの子供がサッカーを選ぶなら僕が、野球なら野村さんが引き受けるという話をしていた(笑)」

 陸さん「最初は兄貴たちの試合を見に行くのが嫌だったけど、いつの間にか好きになっていた」

 森保監督「『森保の息子だから優遇されている』という目を向けられることもあると思っていた。距離は取るようにしていた」

 翔平さん「嫌な思いはしたことがない。色んな人に話しかけてもらって、いいことがたくさんあった」

 陸さん「俺は父さんがトップの監督だったから、『父さんがいるから広島に入れたんだろ』と言われたことはある。監督を辞める時、『何か言われるかもしれないけど、陸は陸だから気にすることはないよ』と連絡が来た」

 森保監督「陸は一番ケア(手当て)をしないといけないと思っていた」

 圭悟さん「今も日本代表がうまくいかないと、『監督を代えろ』とかメッセージが来る。でも俺に言っても変わらない(笑)」

息子も選手も「一人の人」として

失敗しながら

<人生の岐路で、意見を押しつけることはしない>

 翔平さん「Jリーグのクラブとの契約が終わって、海外という選択肢を提示してくれた。いつも気にかけてくれていると感じる」

 森保監督「選択肢を伝えながら、『こうしろ』とは言わないようにしている。主体的に『これをしたい』と思える方が、その後に生きて、より後悔がなくなる。自分はそうやって人生を歩いてきた。否定して、覚悟を確かめることもある」

 圭悟さん「ユースに上がる時、『高校サッカーの方が注目度が高いぞ』と言われた。小6の時、ニュージーランドに一人でホームステイをさせられた」

 森保監督「圭悟はやんちゃで、日本のルールからはみ出しちゃうから、海外の価値観に刺激を受けて、失敗しながら、好きなものを見つけてほしいと思った」

輪を広げる

<今も親子関係は変わらない>

 森保監督「彼らがいてくれて人生をサッカーを頑張ってこられた。今もパワーをもらっているし、彼らを大好きなのも変わらない」

 圭悟さん「(翔平さん、圭悟さんの)結婚式2回とも泣いていた(笑)」

 森保監督「3人目は泣かない(笑)」

 翔平さん「父さんはいつも、『周りの人に助けられて生活している』と話している。ずっと続けられているのはすごい。俺たちも『周りに迷惑をかけるな』、『感謝しろ』と言われてきた。お陰で今があると思う」

 森保監督「息子だからちょっと言っていることは多いかもしれないけど、選手への接し方と変わらない。息子も選手も、一人の人として向き合っていきたい。相手が自分と同じ考えではないということは根幹として持っている。『大人だから子だから』、『監督だから選手だから』ではなく、相手を尊重する気持ちを持っているつもり」

<方法は違うが、サッカーに携わる同志として尊重し合う関係だ>

 森保監督「一握りの人しかトップにたどりつけないけど、楽しむというところで、たくさんの人がサッカーを続けてほしい。ポジションは違うけど、『サッカーファミリー』の輪を広げる意味で、息子たちはすごいことをしている」

 翔平さん「僕たちは常に父さんを応援するだけ。いつも通りの変わらない父さんでいてくれたらいい」

SNS 堂安らも積極発信

 サッカー関連の動画をSNSで積極的に発信している現役選手や元選手は多い。

 横浜Mや浦和などで活躍した那須大亮さんのユーチューブチャンネルは、著名人へのインタビューや、強豪チームへの「体験入部」など充実した内容を誇る。「LISEM」とも共演している。現役の日本代表選手も、堂安律(フライブルク)が親交の深い板倉滉(ボルシアMG)との対談を配信するなどしている。圭悟さんは「SNSによって、サッカー好きな人がサッカーに触れる時間は増えている。認知は確実に広がっている」と話している。

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