リチウム電池「燃えないゴミ」に出しちゃダメ 発火が怖い...「正しい捨て方」どうすれば
J-CASTニュース / 2025年1月4日 16時0分
モバイルバッテリーの火災がいちばん多い
運行中の電車で、乗客の鞄の中のモバイルバッテリーが火を噴いた。携帯型扇風機から出火し、事務所が燃えた。スマートフォン、電動アシスト付き自転車など、リチウムイオン電池による火災事故が増えている。
リチウムイオン電池は「日本生まれ」だ。基本特許を発明したのは旭化成の吉野彰氏。2019年のノーベル化学賞を受賞した。ソニーは1991年、世界で初めて、独自開発したリチウムイオン電池を携帯電話に搭載した。くりかえし充電でき、高容量・高出力、しかも軽量なので家電から電気自動車まで暮らしの中のあらゆる場面で用いられている。
しかし、そのメカニズムから熱や衝撃に弱く、取り扱いを誤ると熱をおびる。制御不能の「熱暴走」が起き、発火することがある。
火災は10年間で8倍以上に
東京消防庁によると、リチウムイオン電池がかかわる火災は2023年に167件発生した。10年間で8倍以上に増えている。いちばん多いのはモバイルバッテリー(44件)で、スマートフォン(17件)、電動アシスト付き自転車(14件)、コードレス掃除機(13件)、電動工具(11件)、タブレット(9件)などがつづく。状況は「いつも通り使用していた」(39件)のほか、「落下・外力など外部衝撃」(18件)、「分解・廃棄等」(16件)、「充電方法の誤り」(16件)などとなっている。
消費者庁にも「電熱ベストが異常に熱くなったため脱いだら、バッテリーが溶けていた」「充電式カイロを服のポケットに入れていたら発煙した」といった情報が多く寄せられている。このため9項目の「注意ポイント」をホームページで示している。
1.取扱説明書などメーカーの指示に従う。
2.強い衝撃や圧力を加えない。損傷したものや異常が生じたものは絶対に使用しない。
3.充電は、なるべく製品の様子が確認できる時間と安全な場所で行う。充電が完了したらプラグを抜く。
4.製品に推奨されている充電器やリチウムイオンバッテリーを使う。改造されたものは絶対に使用しない。
5.製品を安全な場所で使用・保管する。
6.購入前に製品の安全性を考える。
7.製品のリコール情報を確認する。
8.正しくリサイクル・廃棄する。
9.公共交通機関での事故を避けるため、持ち込み規則を確認する。
捨てるのは× リサイクルボックスへ持っていこう
最近、注目されているのは、ゴミとして捨てられ、廃棄物運搬車や処理施設の火災原因になるケースの急増だ。東京都環境局は2024年8月、「リチウムイオン電池 捨てちゃダメ!」プロジェクトを立ちあげた。大掃除シーズンの12月24日にホームページを更新し、ポスターなどで啓発に努めている。
多くの自治体では、火災事故を心配して「燃えないゴミ」としては回収していない。家電量販店やホームセンターなどにリサイクルボックスが置かれている。「資源有効利用促進法」でメーカーなどには小型充電式電池の回収リサイクルが義務付けられている。一般社団法人「JBRC」のホームページで、持ち込み可能な協力店や自治体を検索できる。端子部に粘着テープをはって絶縁するとよい。
リチウムイオン電池は日本生まれの優れもの。しかし取り扱いを誤ると、火災の原因になりかねない。注意のポイントや捨て方をしっかり守りたい。
(ジャーナリスト 橋本聡)
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